第7話 わたし、キレイ?

 カクヨムの公式自主企画で、日本の怪談・都市伝説・昔話を下敷きにした短編作品を広く募集しているらしい。


 夏ですからね。怪談。


 わたしが子どもの頃、夏になるとテレビで怪談や心霊写真がよく取り上げられていました。心霊写真……なくなりましたね〜。デジカメの画像は加工しやすいですから、「現実にあり得ない写真」という意味での心霊写真は怖くも珍しくもないですからね。


 さて、わたしの年代で怪談といえば「口裂け女」ですね。昭和50年代の都市型怪談です。


口元を完全に隠すほどのマスクをした若い女性が、学校帰りの子供に 「私、綺麗?」と訊ねてくる。「きれい」と答えると、「……これでも……?」と言いながらマスクを外す。するとその口は耳元まで大きく裂けていた、というもの。(Wikipediaより抜粋)


 めちゃくちゃ流行りましたね。当時、リアル小学生だったわたしや友だち達を震撼させましたよ。マジな話。嘘だろ、と思いながら、だれも嘘だとは証明できないのが都市伝説ってやつで、それが恐怖を煽るんですよね。


 口裂け女は、女性なんです。なんでか。

 女性の方が恨みを呑んでいたからだと思うんです。当時はいまよりずっと男性に比べて虐げられていたから。


「わたし、キレイ?」


って訊くのも、「綺麗じゃない女の値打ちは一段下がる」とみんな思ってたから。女性からそう訊かれると子どもですら、ドキッとするじゃないですか。なんて言ったらいいんだろうって。


 短くてだれでも覚えられて、しっかり怖い。よくできた怪談でした。わたしがWikipediaから抜粋した箇所だけで、怪談のほぼすべてですから、子どもでも覚えやすいでしょう。


 たった数行のエピソードですが、この「口裂け女」の背後にはなにか悲しいドラマを感じませんか。どうして口が裂けてしまったんだろうとか、なぜ「綺麗だ」って言ってもらいたがるんだろうとかね。


 怪談って、言葉になっていない余白の部分が大きいんです。そういう点では二次創作のネタに向いているんじゃないですかねー。


 え、藤光はこんなエッセイ書いてないで、口裂け女の二次創作を書けばいいじゃないかって? 子どもの頃から怖い話は苦手なんです。勘弁してください。夜、ひとりでトイレに行けなくなっちゃいます 笑笑



 

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