第8話 アニメ化は希望しません。
例によって、NHKプラスを見ていると「TAROMAN岡本太郎式特撮活劇」という特撮ドラマがあることに気付きました。その名の通り、芸術家・岡本太郎の作品をネタにした特撮ヒーローものに仕立てた短編ドラマ(五分間)です。全編にわたって、岡本太郎作品及び昭和40年代特撮活劇へのオマージュ&パロディに満ちたドラマになっています。
おもしろかどうなのかというと――。
ほとんどの人はこれを見ても「これのどこが面白いのかわからない」という感想を持つように思います。わたしは、この間エッセイに書いたように岡本太郎の伝記を読んであとですから、とても面白く観ることができました。でも、普通に観ると「なんだこれは?」というドラマでしょう。
もっとも、制作者の狙いはこれを見た人に「なんだこれは?」と思わせることにあるはずので、それは成功していますが、視聴率が取れるかというとまず望み薄のドラマです。
アニメ化を希望していないとう話ですが、カクヨム内でエッセイを読んでいると、こうすれば書籍化できるとか、アニメ化されるにはこういう作品が選ばれるとか、そういうことを書いている作家さんに出会います。
書かれていることは、どれも興味深く、おもしろいのですが、とにかく「お金の話」になるので、その点だけはうんざりします。売れる作品でないと書籍化されないし、稼げる作品でないとアニメ化されないそうです。
「当たり前じゃないか」
と言われそうですが、わたしはそう考えません。
ええっ!! っていうような衝撃を小説から受けたいんです。「いままでそんなこと、考えたこともなかった!」と感じられる小説が最高だし、いつもそういうのを探しています。カクヨムの書籍化担当者とわたしの意見の大きく食い違うところです 笑笑
「なんでお金出してまで、テンプレ小説を読ませられないとあかんねん!」
アニメ化作品についても(多分にわたしの偏見が入っていると思いますが)、まずキャラクターありきの物語づくりは、もういいんじゃないですか? 食べ過ぎておなかいっぱいです。そろそろ違う味のアニメが観たいんですけど。
小説の書き方でも、キャラクターの作り方がどうこう……という指南書とかありますが、それよりもそのキャラが演じる物語、脚本を作り込んでほしい。わたしに関していうと、魅力的なキャラより、読んでいるわたしの何かを変えてくれる物語が読みたいんですよ。
話を最初に戻すと「TAROMAN岡本太郎式特撮活劇」って、「芸術は爆発だ!」って既存の芸術という概念を壊そうとしてきた岡本太郎作品を使って、キャラクターとか王道展開っていうものを、メタ・フィクションの手法を使って揶揄し、ぶっ壊そうとしてるドラマだと思う。というか、間違いなくそう。
いま、大阪中之島美術館で岡本太郎展やってるらしい。行ってみようかな。わたしも自分の殻をぶっ壊したい。
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