第3話 人とサルのお話

 たまに時事ネタをエッセイに入れる藤光です。「サル痘」という感染症が流行しているらしい。すでに根絶された天然痘ウイルスに似たウイルスが引き起こす感染症で、サルで最初に確認されたことからサル痘と呼ばれるようになったらしい(以上、すべてネットニュースの受け売りです)。


 サルの病気なの? というとそういうわけでもなく、人と人との間で感染する病気のようです。新型コロナのパンデミック以降、世界中が「感染症」というワードに敏感になっている今、聞いて愉快なニュースではありません。



「サル痘」と聞いて、わたしの頭をよぎったのは、「モンキービジネス」という名の架空のウイルス。『カウボーイビバップ』というSFアニメの第4話の中で、環境保護団体を名乗るテロリストが使っていた――ヒトをサルに変えるウイルス――が「モンキービジネス」です。ヤバそうなウイルスでしょ。


 また、今読んでいる『時の子供たち』というSFのなかにも、ヒトとサルに関わるウイルスが出てきていました。こちらは、サルに作用してヒトのような知能を目覚めさせるためのウイルスでしたね。SF映画に『猿の惑星』という名作があるように、人は「人に似た動物(サル)」に対して、不気味なもの、不穏なもの、危険なものを感じているように思えます。「サル痘」の流行がややセンセーショナルに報じられるのも、人のサルに対して持っている忌避の感覚が影響しているのかなと思ったり。


 ヨーロッパや北アメリカには野生のサルはいないらしいです。日本人がサルに対して感じる親しみを、欧米人は同じように感じてはいないのかもしれません。もしかすると、人に似ていながら意思疎通のできない気味悪い動物――くらいに思っているのかも。


 ダーウィンの唱えた進化論によると「人間はサルのような動物から進化した」ということになっていますが、サルを薄気味悪い動物と考えている欧米人にとってみると、進化論はとんでもない学説と感じられるのかもしれませんね。


 って書いていると、日本でもサル痘の患者さんが確認されたそうです。いまの時代、あっという間に感染症は世界中に広まりますね。


 いまのところ、男性のあいだで流行しているらしいじゃないですか。AIDSが流行しはじめた頃のことを思い出します。最初は狭い範囲内で流行して、それから一般に感染拡大をはじめるんですよね。なんでかな、興味深いです。


 パニックにならないように、見守りたいと思います〜。

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