第3話 始まりと冷蔵庫


「冷蔵庫届いたよ!」


レイが私を呼びにきた。


「わかったわ」


「こんなに大きなの頼んでくれたの?」


レイは私に聞いた。


「そうよ、だって私もここに住むから」


「えぇ!!!!」


嬉しそうな表情をするレイをみて私は安堵した。


「ダメだった?」


「いいよ!むしろ大歓迎!一生住んでくれても良いからね!」



何気ない会話で一緒に住むことを承諾してくれた。


冷蔵庫はとても大きく良いものを買った。


一緒に住むからという理由もあったが私たちにとっては忘れられない想い出でもある。



私達2人がまだ子供の頃『敵軍が奇襲してきました、、空からです!!!!』


町中に響く衛兵達の声


敵は爆弾を空で運んできた。



私達は多くの人が逃げる中、家から出るのが怖くて使われて居なかった地下の故障した冷蔵庫に隠れていたのだ。



爆撃と同時に熱風が吹き荒れる中、たまたま地下の冷蔵庫にいた私達は助かった。


奇跡的に衝撃波を避けることが出来たのだろうと言われているが詳しいことはわからない。でもその選択が無かったら逃げ遅れて死んでいた。


そんなお守り代わりに良いものを買ったのだ。


レイは気にしていないようだったが、私にとっては大切な思い出の一つだった。




そして月日が経ち



「リリィのことが好き、結婚して下さい…///」



「私もレイが好き、結婚しよ…///」



結婚して平和に2人で暮らしました。




ガッシャーン。。


「リリィまたお皿割ったの?」


「また割っちゃった」

「ごめんね、許して」


あんなに戦いが得意なのに、家事は全然出来ない戦姫リリィだったそうです。

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三題噺 戦姫の憂鬱 くろゆり @kuroyuri12

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