『ボク』の物語

 なぜだか憔悴しきった様子の男子高校生と、それを心配する女子の物語。

 恋のお話です。恋のお話ではあるのですけれど、特徴的なのはやはり主人公。
 もうのっけから様子が普通じゃない。フラフラで、今にも倒れそうで、それがただの体調不良ならまだ分かるのですけれど、なんと「身の回りで頻繁に私物が無くなる」なんて現象まで起こっていたりする。

 原因不明の謎の現象、その正体が詳らかになる中での恋物語……というわけで、どこまで言及したものか悩みます。
 どの要素に触れてもネタバレになってしまいそうで……。

 なのでとてもふんわり、非常に大雑把にご紹介しますと、やっぱり「恋のお話」というのが一番素直な要約になると思います。
 それも大変にシリアスな、そしてドラマチックな物語。

 彼らの抱えた事情はとても重く深刻なもので、それを乗り越えての恋であるというところがとても印象的なお話でした。