Episode2 ~loneliness~

 朝の11時。俺の職場はまったりとした雰囲気の中人が動いていた。まったく、戦時中の軍部とは思えない。

「よおジャック。今出勤か?さすが最前線上がりの設計士は違うね。」

「…。」

この反吐が出るような皮肉を朝っぱらから吐きかけてくるデブはモンテナ・コルソン、通称コーリー。ココに来てからできた同期だ。ちなみにもう一つ断りを入れておくと俺は陸軍の戦車兵上がりだ。とある諸島奪略作戦にて負傷したため退役命令を出されたが、無理を言って開発部門に回してもらった。意地でも俺はジャップが許せなかった。だから俺が開発している兵器であのイエローモンキーどもを叩いてもらうために…。

思い返して気づけば俺はポケットにいつも入れている写真を握りしめていた。それに気づいたコーリーが優しく肩を撫でてくる。

「…弟のことは忘れろ。あの時パールハーバーにいた彼の運がなかった。…わが国に悪い奴はいない。」


…弟はジャップのパールハーバー急襲の時に、戦艦アリゾナの清掃員をしていた。



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名も無き何でも屋の生い立ち手帳(左編) 万事屋 霧崎静火 @yorozuyakirisaki

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