魔法使い、魔法について語る。

 現代において魔法使いは絶滅し、遺跡から発掘される魔法具だけが人々が魔法を使う唯一の手段となっている。


 で、その魔法具扱いの俺はというと。

 実のところ、魔法はどうにか紡げる状態にある。昔ながらの触媒を応用した、低級魔法だ。魔法、とはいえ効果や威力は触媒とその品質に左右されるし、どれだけ丁寧に魔法を構築しようと、そこいらの魔法具に大きく劣る。

 開き直って「他人とちょっと(かなり?)外見が違う一般人」として魔法具の恩恵を受けようにも、困ったことに魔法具は俺が使うとさっぱり反応してくれない。


 魔法使いの本当の力は、こんなものじゃないのに。〈そうぞうりょく〉の赴くまま、あらゆる事象を引き起こせる『魔法』。それに必要なのは魔法使いと――唯一無二の相棒、魔法猫だ。


 魔法使いはみんな特別な猫を供にしていた。特別な関係の1人と1匹……の時代もあったが、魔女大戦も後のほうになると猫の大軍勢を連れた魔法使いも珍しくなかったが。

 その魔法猫がいなきゃ、魔法使いは現代の道具にも劣るわけだ。


 当代の人間が猫の姿なら、もしかしたら魔法猫として契約もできるのでは――と思ったんだが。試しに若先生相手に契約に挑んでみたが駄目だった。どうも彼らは猫の姿をしているが猫とはカウントされねえらしい。


 若先生の役に立つため――そして現代社会でマトモな生活を送るためにも、どうにか魔法使いの本領を取り戻したいところだが……なんだろうな、どうしてか取り戻さない方がいい気もしている。魔法使いの特別な勘、なのかね?

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Cat&Wizard にゅーとろん @miturugi

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