???

「っ、痛てえ……」


 真っ白な景色が遠のくと、俺は目眩を感じながらも立ち上がることにした。


 なんだったけか。確か俺はよく分からねえクソガキの相手をしていたら、5円玉が急に光り輝いて、その光の中に……。


「……あれ? あのガキは?」


いない。というかここは──いつもの河北神社か。いや、でも……なんか違う?


「……夕方じゃねえじゃん。どういうことだ?」


 空に夕焼けなどなかった。あるのは目を覆いたくなるほどの真っ青な空のみ。明らかにさっきまでの時間じゃない。


「……おにいちゃん」


「へ?」


振り返ると小さな男の子が泣きそうな声で俺を呼んでいた。半袖、短パンの少年らしい格好で帽子をかぶっていた。


「どうした? 迷子か?」


「うん……おうちかえりたい」


ぐずりながら俺の袖を引っ張るガキンチョ。俺はガキは基本嫌いだが、ここまで小さなガキを無碍に出来るほど腐ってはいなかった。


「いいぜ。一緒に帰ろう。君、名前は?」


「……


「──は?」


 真柴健太郎? 聞き覚えがあるってレベルじゃない。だってそれはだ。なんでこのガキがその名前を……待て、その帽子、まさか俺がガキの頃に被っていたあの帽子か?


「……ガキンチョ、今何歳?」


「もうちょとで3さい」


まさか……まさか……俺は20年前にタイムスリップしたってのかーー!?

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