遅れないバイト時間を目指して、譲れない限定ガチャを抱きしめて

日帰りバスツアー的な、行きて帰りし物語である。
世の争いはすべて、本作に書かれたことに尽きると思えてくる。
上は現場を知らず、中間管理職は怠惰で、末端がいつも苦労するのだ。

帰一と雄二がイケメン、とある。
おそらく、女神の趣味で選定されたと思われる。
イケメンでなかったら、主人公たちは選ばれていないだろう。

女神は上からの指示で動いていたことがわかる。
言われたことをこなすだけの、いわゆる指示待ち女神なのだ。
先代魔王が現在の魔王に倒されたことも知らず、上から言われて、確認もせず繰り返してきたのだ。
現状確認を怠った神様側に問題がある。
きっと長寿だから、百年単位で物事を見ているのかもしれない。

二時間以内に異世界問題を解決して帰還した主人公。
読後感がすがすがしい。
私の世界も、本作みたいに簡単に解決出来たらいいのにね。