第13話 準備
ゴブリンの集落を潰し、草木を芽吹かせてから三日が経った日に久しぶりにスカラが訪ねてきた。
「悠真よ。久しぶりだな。今回は頼みがあってここまで来た」
「来て早々いきなり要件だなんて急なのよ」
「もう少しゆとりを持ってもいいんじゃないの?」
「・・・急用?」
ピクシー三姉妹は久々のスカラとの出会いを喜んでいるようだ。だがスカラはピクシー三姉妹の圧におされ少したじろいでいる。そこへ悠真が助け舟を出す。
「久しぶり。スカラ。で要件は何?」
「挨拶もそこそこにすまないな、悠真よ。実は精霊樹の領域でも魔物が多く発生していてな。グリフォンから聞いた話ではそれらを埋めて悠真の力を使うと草木の芽吹きがよいと聞いた。討伐は私たち精霊が請け負うのでどうかこちらまで来て悠真の力を貸してくれないか?」
悠真は独断では決められないと思いみんなの意見を聞こうとする。まずは唯一の移動手段であるグリフォンに聞いてみた。
「グリフォン。こういっているけれどどう思う?」
「私は構わないと思うぞ。世界樹の領域で守っているのは人間のみだ。その人間の近場にあるゴブリンの集落はあらかた潰してしまった。多少精霊樹のところへ行ったところで何の問題もないだろう」
「移動の手段としては頼っていいの?」
「それは構わんが、悠真とデュラハンだけでよいのか?せっかくの機会なのだし、全員で向かってみてもいいと思うが?まあそうするならば籠のようなものを作って欲しいところではあるが」
グリフォンのその言葉にピクシー三姉妹が反応する。
「私行きたい」
「私も私も」
「・・・ピクニック」
このようにピクシー三姉妹は乗り気だ。カーバンクルたちも悠真にすり寄ってきているため精霊樹のところに行きたいのであろう。
「みんな行きたいみたいだし頑張って籠を作るよ」
悠真がそう言うと全員が叫んだ。みんなどこか嬉しそうである。こうして近いうちに精霊樹を尋ねるとスカラに言うと、スカラは満足そうな顔をして帰っていった。道案内はグリフォンにお任せでよいとのことである。
早速、悠真とグリフォン、デュラハンの三人はゴブリンの集落跡地に向かうこととなった。そこで埋めたゴブリンの死体を栄養素として頑丈な蔦を成長させていく。人間のコロニー周辺のゴブリンの集落跡地では足りなかったので追加でグリフォンとデュラハンがゴブリンを殲滅させた。そうして一週間が経過し、ようやく蔦で作ったみんなが乗れる籠が完成した。あとは、食料となる木の実の収穫するのに二日を要し籠が完成してから三日後に全員で籠に乗り込み精霊樹へ出発した。
森ではなく林です~種族ドリアードで異世界再生~ るいす @ruis
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。森ではなく林です~種族ドリアードで異世界再生~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます