第3話 家族相談

 そうと決まった結の行動は早かった。


「ママ、ボクはVTuberになってみるよ!」


「あら、決断が早かったわね。それで、どうして受けようと思ったの?」


「えっとさ、ボクって学校で上手くいってないんだよね……だからVTuberをやってみたらちょっとは変わるんじゃないかなって思って……」


「………そうなのね。あ、でも翠に連絡する前にパパにも連絡しないとね」


「分かったよママ」


「それじゃあ少し待っててね」


 そう言うとママは懐にしまってあったスマホを取り出し、パパに電話を掛けた。


「もしもし、真人まさと君?今時間あるかしら?……ええ、さっき翠から連絡が来てね、結をVTuberにしてみないかって言われて……そう……分かったわ」


 ママが話をしているのは、只今ただいま県外へと単身赴任をしている父・八城真人やしろまさとだ。不器用だけど一生懸命で努力家の自慢なパパだ。


「結、パパが話をしたいらしいけど大丈夫?」


「うん、大丈夫!」



 そうしてボクはママからスマホを変わった。


「もしもし、パパ?」


『やあ結、元気してるか?』


「うん、パパこそ大丈夫?」


『ああ、パパは大丈夫だ。心配してくれてありがとな、結』


「うん。ところで話ってなに?」


『そうだった。結はVTuberにどうしてなりたいんだ?美玲からも聞いたが結から直接聞きたい』


「それはね、自分自身を少しでも変えたいからだよ。ボクってこのままじゃ友達が出来そうにないしさ……だからそんなボクを変えるためにVTuberをやってみて、切っ掛けを作ろうと思うんだ!」


『そうか……結が決めたことだ、父さん自身が口出しするようなことじゃないだろう。だがこれだけは約束してくれ。自分自身に課した課題は最後までやりきること。約束出来るか、結。』


「うん、出来るよ。だからパパも早く仕事を終わらせてお家に帰ってきてよ」


『ははっ、結に言われたら頑張るしかないな。出来るだけ早く終わらせられるように頑張るよ。だから結も気負わず少しずつコツコツとやっていけ』


「分かったよ、パパ」


『それじゃあ美玲と変わってくれ。最後に話しておくことが出来たからな』


 そう言われてママにスマホを返した。


───────────────────


 次回 ママside①


 あとがき


 こういう展開は不慣れなのでおかしな点がありましたら報告して下さい。

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