第2話 結の決断

 結は母との話を終え、一人自分の部屋へと帰っていた。


「さてどうしたものか……ママは出来るって言ってたけど、ボクはVTuberになれる自信はないよ…」


 なぜ結がこんなにも自信がないのかというと、それは自分の容姿である。最近高校デビューを果たした結だが、女子高校生にしては平均的に小さい147,4㎝。しかし、バストサイズは身長に似合わないDカップだ。制服を着ていない私服姿の結を、赤の他人─特に男性─がみると中学生なわりにはデカいなと、鼻の下を伸ばしながら思わずガン見してしまう。結が自信を持てないのは他にもある。

 それは髪型はボブカットで父親譲りの空色、肌は母親譲りの乳白色、瞳も母親似の藍色。更には一人称がボクなため、周りから距離を取られていると思っている。(実際には高校1年生にして学年のマスコット&アイドル的存在になっているため、近寄りがたいということに本人は気付いていない)そのため、みんなに嫌われているんじゃないかと思っている。


「でもVTuberになったら友達たくさん出来るかな…」


先ほども述べたとおり、結はマスコット&アイドル的存在だが、本人から話しかけると大体の人はちゃんと応えてくれる。それでも結が話しかけられないのは、結のファンクラブ(ほとんどが女子)が見守って粛正いるからである。


「よし!やる前から諦めちゃダメだよね!翠叔母さんの誘いに乗ってみようかな。それじゃあママに話しに行かないと」


 こうして友達欲しさにVTuberになることを決意した僕っ娘の結だったが、これから先にどんなことが待ち受けているのか彼女は知らない。



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 次回 家族相談

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