僕っ娘はVTuberになる

紅華@くれは

第1話 プロローグ

 ボクこと八城やしろゆいは、今日もいつも通り母親である八城やしろ美玲みれいが用意してくれた白いほかほかご飯につやつやな目玉焼き、カリカリなベーコンを美味しそうに頬張っていた。


「結がいつも美味しく食べてくれるから、ママ嬉しいわ」


「ママの作るご飯はいつも美味しいよ。ボクはそんなママのご飯が大好きだよ」


「ふふっ私も結が大好きよ。ところで……」


 そんな朝から楽しく会話をしていた二人だったが、母・美玲の様子が少しおかしくなった。


「VTuberやってみない?」


「VTuber?ボクが?」


「そうよ。」


「でもどうしたの?いきなりそうな話題持ち出して」


「う~~ん…ママに妹が居ること、結は知ってるでしょ?」


みどり叔母さんだね!」


「叔母さん………翠も可哀想ね」


「何か言ったママ?」


「ううん、何でもないわよ」


「それより翠叔母さんがどうかしたの?」


「翠がね、VTuber専門みたいな会社を経営しているの」


「経営…」


「簡単に言うと社長さんね」


「社長!凄いね、翠叔母さん!」


「その翠がね、そろそろ二期生を募集するんだけどお姉ちゃんの娘も応募してみないかって言われて……」


「つまりボクにVTuberになって欲しいってこと?」


「そうなるわね」


 翠叔母さんが社長なのは初めて知ったしVTuber関連の仕事なのは驚いちゃったな。


「それで、応募するの?結は歌も上手いし絵を描くのも上手。それに美人さんだから受かると思うわよ?」


「VTuberに美人は関係ないんじゃないかな……」


「そ、そんなことは今は良いのよ!そんなことよりも結はVTuberになりたい?」


 母は少し慌てながらも結にどうしたいかを聞いた。


「う~ん………少し考えさせて」


「良いわよ。でも出来るだけ早く決断してね。」


「分かったよママ」


 こうしていつもとちょっと変わった朝ご飯タイムは終わった。




──────────────────


 次回 結の決断

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