第3話佐田 宗司

「くそじじいもくそ兄貴も兄さん以外全員消えればいーのに」

僕の事を兄さんと呼ぶ小柄で赤い瞳をした少年は雪峰財閥の次男だ家族を恨んでいたまぁ無理もない自分の母を捨てて長男の母を母さんと呼ばなきゃいけない家を継ぐ権利もないなのに兄は努力の1つもしない千春が小さい頃召し使いからはまるで人間とは違う生物扱いするやつもいた千春は同年代にくらべ体が小さいまともな食事をとれなかった

「こんな俺に優しくしたのは兄さんが2人目だ。」

「2人目?1人目はどんな人だったの?」

「わかんないだけど僕とおなじような見た目をしてたよ。赤い目に白い髪だったあの人は俺の母さんだったのかな?」

そんな話は聞いたことがない千春の母は絶世の美女だと聞いたことはあったが同時にとても綺麗な黒髪をしていたらしい昔のことであまり覚えていないのか?

「そうだね。そうだったらいいね」

「会いたいな…」

「…」

何故僕は黙った?いつもなら会えるさとか言うのになそんな言葉がでてこなかった千春の母はもうこの世にいない。千春を産んでほぼ同時に他界されたこのことに千春には話してない

千春が気に負わないようにするためだ。

千春の母とは僕も面識がある。千春が産まれる前千春の助けになってほしいとそう言われた千春の母桜さんに桜さんと千春は似ていない桜さんは綺麗な黒髪だ。でも桜さんの姉さんとは似ているらしい桜さんの姉も白色の髪と生前の桜さんとお姉さんの写真を見せて貰ったことがある2人ともとても綺麗だ。桜さんはお母さん似だったけどお姉さんは家族の誰にも似ていなかったからお父さんから酷い暴力を受けていたと桜さんは言っていた

そうか千春がみたのはきっと桜さんのお姉さんだろう。でも千春が産まれてから僕はずっと一緒にいたお姉さんは来ているはずがないじゃあ千春がみたのは一体…?

「兄さん…やっぱり兄さんは本邸に残りなよ。俺が父さんに言っておくから」

「え?」

「兄さんが気にする必要はないんだよ。だから俺は1人でいく」

「…は!?なんで急に!?」

「俺これ以上兄さんに迷惑かけたくない。兄さんも俺になんか構ってないでくそ兄貴とかくそじじいに媚びうってきなよ!!こんなんで兄さんの人生滅茶苦茶にしちゃ駄目だ!!!」

「千春。僕は千春が大好きだからついていく。ここで働いてるのも君がいるからだよ」

「そんなの…」

「僕は一回言ったら引かないの千春知ってるだろ?」

ごめんな千春。僕は君にすがってるだから僕をおいてかないでずっとそばにいて。

「ッッッッ俺!!準備してくるから!!兄さんもしてきなよ!!…兄ちゃん」

千春は僕に背中をみせながらいった。照れているのか耳が赤かった僕も準備をしよう。

「ねぇ宗司貴方どうしてあの人に歯向かったの?私は貴方を気に入っていたのに」

浩一郎様の妻であり長男、幸太郎の母阿里沙様だ

「ご期待にそえず申し訳ありません」

ガンッ阿里沙が本棚を倒した音だ

「なんでなのなんでなのっ!?ここ家は馬鹿ばっかり!!貴方も千春も千春の母も全員馬鹿よ!!」

「訂正してください阿里沙様。阿里沙様ともあろうお方がそのようなお言葉」

「うるさいうるさい!!!!」

阿里沙様は僕を殴ろうとした瞬間目の前に千春が来た

パァァァン!! 

千春は阿里沙に殴られ

「ち、千春っ!?なんで貴方がただの召し使いを庇うのよ!?」

「黙れ!!!人を殴るようなやつが人間の価値を決めることなんか出来ない!!くそ人間が!!そしてな俺もくそ人間なんだよ!!」

千春は阿里沙様を殴ろうとした

「千春落ち着け!!」

間一髪で千春を取り押さえられた

「くそだくそだくそだ!!あんたなんかカスだよカスも同然だ!!そんなやつは1人寂しく死んでけ!!」

「千春!!!…落ち着け。もう出よう飛行機の時間だ」

飛行機の時間まであと40分あったけど一刻もはやく本邸から出ようとした。阿里沙様が後ろからずっと罵詈雑言を浴びせてきたが気にせず僕らは本邸をでた

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港の妖怪 えびた @tensitixyan

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