第3話

太陽の塔の手みたいなところの先からは、万博当時、建物の屋上に出れたらしい。


その次の日は、万博記念公園にある民族学博物館にも行ってみた。


地球の色んな民族の展示に、イレーヌちゃんも感動してた。

「凄い~。こんなのパリにもないよ~」

って言いながら、めっちゃ目を輝かせている。


お土産コーナーで、インドの象さんの置物を買った。


博物館を出たら、ちょうど、色んな種類のバラを植えてあって、イレーヌちゃんと見てまわった。


夜になったら、最初はきれいな満月だったのに、だんだんと下のほうから暗く影になっていった。

今日は、地球と太陽と月、一直線に並ぶ日なのか。


イレーヌちゃんと万博記念公園に座って、幻想的な月を見ていた。


しだいに満月は地球の影におおわれて、赤茶色の月として、空に浮かんでいた。


皆既月食。

と同時に、今日は天王星食でもあるらしい。

とても珍しくて、数百年に1度のことみたい。


イレーヌちゃんと、この天体ショーをしばらくいっしょに見ていた。


イレーヌちゃんとチュッてキスした。


家に帰って、民族学博物館のお土産の象さんの置物をママに見せたら

「これ馬なの?」

って聞かれて

「象さんやで。インドに象さんおるやんか。知らんけど...」

って言ってもた。

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ちっちゃな恋の文女ちゃん ヤッキムン @yakkimn

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