第2話

高1の11月。

パリからイレーヌちゃん、大阪のボクの家まで遊びに来てくれた。


イレーヌちゃんとは、小学3年生以来。

パリに住んでた頃、同じ小学校で、仲良しの女の子の友達。


ボクは小3までパリに住んでいた。小4の時に日本に来た。

でも、日本に来てからも、日本とフランスとで、いつも連絡をとっていた。


「あやめっち、久しぶり~」

って言ったイレーヌちゃんは小学3年生の時のイレーヌちゃんだった。

「イレーヌちゃんも、今、高校生?」

「そうだよ~。あまり変わってないでしょ~?」

「小学生の時のままだね~」

「あやめっちも小学生の時のあやめっちだ~。パリでも、いつも女の子と思われてたからね~。今も、そのまま」


次の日、高校から帰ってすぐ、イレーヌちゃんと太陽の塔の中に入ってみた。

「うわ~、面白い~」

イレーヌちゃんはパリの女の子だから、美術も好きで、太陽の塔も、めっちゃ気に入ったみたい。


最初に太陽の塔を見た時も

「うわ~、存在感めっちゃあるね~」

って感動していた。

駅から万博記念公園に向かって歩いて行くと、太陽の塔は正面を向いている。


中に入っても、イレーヌちゃんはめっちゃ感動していた。

下から登って行くにつれて、地球の動物の進化を表現してる。

当時の万博のテーマの「人類の進歩と調和」を、太陽の塔では、人類だけでなく、人類へと進化していった地球の生物全体の進化ととらえたところ凄い。当時の万博に携わっていた人たちの情熱と愛を感じる。


いっしょに太陽の塔の中を見てまわっていたお姉さんたちは、三葉虫の展示を見て

「昔、田んぼで捕ってたよね~」

って話をしていて

「いつの時代の人なんですか?」

って、つっこみたくなった。

イレーヌちゃんも、それ聞いて、めっちゃ笑ってた。

でも、もしかして、捕れるんやろか?とも思ってしまった。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る