大浴場
足跡が血に濡れてても誰も気にはしないが、それでも濡れてない方が良い。
時間が惜しいが目的地を変更して清めに行く。
脱衣所で服を脱ぎ、隣接する洗面台で靴から血を洗い流し、ついでに体も洗うことにする。
固定で監視している看守の前を全裸で通り抜け、大浴場へ。
人のいない広い石畳の部屋、奥には滝が如く無尽蔵に流れ落ちるの冷水とその水の排水溝があるだけだった。
そこへ遅れて二人、龍のような男と馬のような男が連れ立って入ってきた。
滝に打たれる様子もなく向かい合い、ヒソヒソと情報交換、けれども水音うるさくて盗み聞くことはできなかった。
ここまで考えが及んでここまで来たのなら頭は切れる方、情報を得られなくてもどの程度なのか偵察はしておきたい。
様子を伺ってると情報交換は殴り合いに変わっていた。
どのような経緯があったかは知る由も無いが、わかるのはここでの力は拳だけだということだった。
長所もあれば短所もあるのだと、二人に巻き込まれる前に早々に脱衣所へと戻った。
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