♬1 驛前の噴水広場
そこでポカンと口を開けて、射出された水を一身に浴びる
うまく化けたものだが、都のような
狸は単にそれに
円形の池のぐるりに並んだ噴水孔から、細長いいくつもの水の糸が、中央のお立ち台に向かって放出される。
行基オン・ザ・ステージ。
いつだってそこにいて、誰かにその晴れ舞台を明け渡すことはない。もちろん雨の日も風の日も。
その身は昔、
まあ変化には違いない。
ちなみに
さて、誰かと待ち合わせている風でもなく、一体いつまでそうやっておちょぼ口を開けたままにしているのかと思いきや、狸は不意にビクリと背後を振り返った。
そこにあるのは地下道への入り口で、その階段を降りた先には
なんとも不可思議な性質の存在ながら、非常に便利であるため、人々は
もちろんこの狸も此処へ至るに
だからいつまでも
そんなだから、こちらも笑いをこらえつつ、さっきからこの狸を興味深く観察しているわけだ。
我に返った狸がようやく移動し始めたので、こっそりと跡をつけてみようと思う。
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