【短編版】図書室の隅っこでイジメられてた、おさげのメガネっ子を助けたら告られたんだけど、実はすげー巨乳の美少女だった ~今さら他のヤツが気づいても、もう遅い~
「青葉くんの二年間を、二週間で取り返します」
「青葉くんの二年間を、二週間で取り返します」
期末試験まで二週間。
俺はそこで、ふたつの奇蹟を起こさなくてはならない。
ひとつ目の奇蹟。全科目で赤点を回避すること。
ふたつ目の奇蹟。学年の総合順位で全体の半分以上に入ること。
それを達成できなければ――。
(
それは目ざとい
俺と
当然、
『私が、
こう
(この
だが、幾多の映画で学んだように、試練は男女の愛を強くする。
学校の授業が終わったら、図書室で最終下校時刻まで試験勉強。
最終下校時刻になったら、
そんな生活になったので、毎朝、
おふくろに挨拶してるうちに笑顔が増えて、今はすっかり仲良くなった。
(外堀埋め系ヒロインなのか、アイツ)
少なくとも、おふくろは認めている。
あの「事件」以来、勉強に身が入らなくなった息子の面倒をみてくれる。
こんな嬉しいことはないって、親父に漏らしていたほどだ。
「おふくろを泣かせるのは、あれっきりにしたいな」
「――
「通知表を見せて、おふくろを嬉し泣きさせてやりたいなあって」
「そうそう! だから、頑張りましょ!」
一番のモチベはふたつの奇蹟を起こして、
間違いなく、これなんだけどな!
「俺は、マーヴェリックになるッ!」
困難なミッションを達成するッ!
愛する者の許へ必ず生還するッ!
そうやって気合い入れて勉強しても、どうしても効率が落ちていく。
「あぁ……頭が回んねぇッ!」
俺は放課後の図書室で頭を抱える。
相手は一番苦手な科目――数学だ。
商売人の息子だから、算数には自信があった。
だけど、中学に上がってから、一変した。
よりによって、数学の教師が俺のクラス担任で、大嫌いな
授業中に居眠りが増えた。チリツモで、なんにもわからなくなっていた。
「うん、わかった。もう、図書室じゃ数学やらないから」
「マジ助かる。俺、数学だけはダメなんだ」
「理科は成績悪くないんだから、数学も行けると思うんだけど」
「数学は
ジト目で俺を見る
「……その、
「あぁ……
「言葉遣いも、成績もよくしてもらわないと。清く正しいお付き合いだって、認めてもらえないの。それじゃ私、とっても困るんですけど」
「わかってるよ。努力する。でも、数学だけは、どう頑張っても無理だ」
しっかり、脳みそにインプットされているんだ。
数学=嫌い=楽しくない=やる価値がない、と。
「……じゃあ、数学を前向きに学べるように、工夫してみるから」
以来、
数学以外の試験勉強は、ぜんぶ図書館でやることにした。
そのかわり、数学の勉強は
「
「お、おう」
中一から中三まで、教科書を持ってきた。
それと実践ドリルがいくつか積んである。
「いい? 基礎から全部たたき込むんだから。返事は?」
「……はぁい」
バンッ!
机を叩かれ、絶句。
「声が小さい! それでよく、
「サー! イェッサー!!!」
バンッ!
また机を叩かれる。
コイツはあれか?
「サーは男性の敬称。女性の敬称はマアム。はい、やり直し!」
「マム! イェス、マァム!!!」
「よろしい。では、一年生の教科書を開いて」
鬼教官ぶった可愛い優等生と、マンツーマンの個別指導。
最初から数学の教科担任が、巨乳の美人女教師だったら。
絶対、こんな目に遭わなかっただろうに。
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