速報:第一選別合格者発表
“大波乱続出の第一選別! ついに終了! 予想外の第一選別合格者たちの中には噂のあの男も・・・?
毎年恒例の
引き続き今年は、私ことオトハ・ゲティングスが担当いたします! よろしくお願いたします!
それではまず、おさらいとして、今年の選別試練の合格者予想の事前アンケートのトップスリーを確認いたしましょう!
二位以下を大きく突き放してダントツ一位だったのが、“
次に二番人気だったのが、“
三番人気が“
では早速、気になる第一選別の合格者ですが、まずその人数はなんと僅か八名!
その八名の内の一人は、例年同様“
去年の第一選別合格者は十五名いたということで、半分以下という大激戦!
では、誰がこの選別試練屈指の難関となった今年の第一選別を突破したのでしょうか!
と、ここで合格者を発表する前に、主な脱落者をご紹介いたします!
例年ですと合格者の発表後に、主な脱落者を補足のような形でご紹介するのがセオリーなのですが、今年ばかりはあまりにイレギュラーなのでこういった形にして頂きます……!
最大の驚きはやはり、“剣王子”レオナルド・ベッキー、脱落! この一言に尽きるでしょう!
誰もが第一選別、第二選別突破は当然、選別試練自体の合格者として名を挙げていたレオナルド・ベッキーがなんと第一選別で姿を消しました!
正直言って、私もいまだに信じられません!
実績、実力共に同じ
いったいどんな理由によって脱落してしまったのかは、現時点ではまだはっきりとはしませんが、詳細わかり次第皆様にお伝えできたらと思います!
そしてもう一つの衝撃は、“猛毒”パルクス・デポルティボの脱落です! しかも彼女に関してはより正確に言えば、第二選別の進出辞退という形をとっています!
第一選別合格の条件は満たしていたにも関わらず、“ある男”が第一選別合格者として姿を見せた瞬間に、リタイアを宣言したのです!
いったい彼女ほどの実力者をリタイアさせるほどの男とは、いったい何者なのか!? その男と彼女の間に何があったのか!
実は今回、私は選別辞退について、パルクス本人にインタビューをすることに成功しました!
そこで聞くことができたのは、にわかには信じられない出来事の数々でした!
さて、衝撃必死のインタビュー内容の前に、先に第一選別の合格者を発表いたします!
実は私の勉強不足もありまして、氏名不明の方が何名かいらっしゃるのですが、それは次回の選別試練特集までには取材しておきます!
何人かはお名前をお聞きできたのですが、全員は確認できませんでした! すいません!
以下八名が、第一選別合格者になります!
“
“
“
“二つ名なし”ロク・シックス。
“二つ名なし”レヴィ・エリファス。
“氏名不明”、銀髪の少女。
“氏名不明”、麻袋を被った女(第六十一柱、渾神カイムとの情報あり)
“堕剣”ネビ・セルべロス(本人未確認のため、別人の可能性あり)
おそらくこの第一選別合格者一覧を見て、気になることがありすぎると思いますが、今は多くを語りません!
続報をお待ちください!
(続報、読みたくなりましたかね!? 読みたいと思えたらオトハ・ゲティングスに高評価お願いします!)
それでは最後に、パルクス・デポルティボへの独占インタビューをどうぞ!
(※以下インタビューは一部過激な表現を含みます。不適切と思われる語句や言い回しがありますが、本人の意思確認の上、取材内容の文献的価値を尊重し原文ままといたしました:広報商社RCC編集部)
〜〜〜
オトハ「あの、パルクスさん。体調の方は大丈夫ですか?」
パルクス「……はい。だいぶよくなりました。手の震えは止まりませんけど」
第二選別開始後、一時間ほど経過した際のインタビュー内容です。
またここより以後、著者オトハ・ゲティングスを(オ)、パルクス・デポルティボ氏を(パ)と表記。
オ「まずは今回はインタビューを受けてくださってありがとうございます」
パ「いえ、いいんです。誰かと喋っていた方が気が紛れるので」
オ「パルクスさんは第二選別を辞退といった選択肢をお選びになりましたが、それはやはり“あの男”が理由ですか?」
パ「そう、ですね。あの男……“堕剣”です。これ以上同じ空間にいたら、私は加護持ちとしてだけじゃなくて、人としてどうにかなってしまうと思ったので」
オ「実は私の方では確認を取れていないのですが、やはりあの男は堕剣なのでしょうか?」
パ「他に何に見えました? あんな邪悪な存在が、他にいるとでも?」
オ「いえ、それは、分かりませんが」
パ「ふざけないでください。あんなモノが他に何人もいてたまるか。あんまり私を苛立たせないでください。殺しますよ? こっちはもうなんだっていい気分なんです。いますぐ、あなたの喉にこの爪を突き立ててもいいんですよ?」
オ「すいません」
数分の沈黙。
パ「申し訳ないです。少し、取り乱しました。私、ちょっと今、精神が不安定で」
オ「いえ、こちらこそ、第一選別直後のお疲れのタイミングでインタビュー。ご迷惑をおかけします」
パ「迷惑だなんて、そんなことないです。どこか話を聞いて欲しい自分もいるので」
オ「本当ですか? なんだか、疲れ切ってるパルクスさんを見ていると、悪い気がしてしまって。こちらからお話をかけさせていただいてる身なのですが、本当に申し訳ないです」
パ「いえ、オトハさんは何も悪くありません。悪いのは、私なんです。そもそも、私ごときが選別試練に挑戦したのが間違いなんです。いや、そもそも生まれてきたのが間違いだった。堕剣がいるこの世に生まれてきた私の間違いです。間違い間違い。間違い間違い間違い。私は間違った間違った間違った」
オ「あ、パルクスさん」
パ「私は間違った間違った間違った私は間違った間違った間違った私は間違った間違った間違った私は間違った間違った間違った私は間違った間違った間違った私は間違った間違った間違った私は間違った間違った間違った私は間違った間違った間違った私は間違った間違った間違った私は間違った間違った間違った私は間違った間違った間違った私は間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った間違った」
一時間ほどの休憩。
オ「……もう、大丈夫そうですか?」
パ「すいません。オトハさん。私、まだ疲れが残ってるみたいで」
オ「インタビューはまた後日にしましょうか?」
パ「いや、大丈夫ですよ。続けてください。堕剣の話ですね?」
オ「そう、ですか。それでは、その、はい。パルクスさんが遭遇したという堕剣のお話を聞かせていただけたらと思います」
パ「そうですね。堕剣の話をする前に、それではオトハさん、一つ聞きたいんですけど、いいですか?」
オ「はい。私に答えられることなら」
パ「生きたまま食べられた経験はありますか?」
オ「え?」
パ「生きたまま、足を齧られ、爪で肉を抉られ、自分の頬肉を引きちぎられる感覚は知ってます?」
オ「あの、その、それはいったい——」
パ「私はあります。私はただ、魔物と戦っていただけなんです。魔物自体は大したことのない、体が大きいだけの蜘蛛型の魔物でした。でも、その魔物を倒したと思ったら、中から悪魔が出てきたんです」
オ「悪魔、ですか?」
パ「はい。つまり、堕剣です。蜘蛛の魔物の腹を内側から切り裂いて、あの男は私の前に姿を現しました。しかも堕剣は一人じゃありませんでした。女の子と一緒でしたね。その女の子は、私を一瞥すると、その後、何か鬼気迫る様子でその蜘蛛を食べ始めました。今でもその光景が目に焼きついて、吐き気が止まりません」
オ「蜘蛛を食べ……え? あの、その蜘蛛って、魔物ですよね?」
パ「はい」
オ「魔物を食べたってことですか?」
パ「はい。堕剣がそう命じたんです」
オ「それは」
パ「そして堕剣の方は私の全身を見て、舌舐めずりしました」
オ「まさか」
パ「そのあとは……正直、よく覚えていません。ただ、強烈な感覚だけが残っているんです。生きたまま、堕剣に全身を引きちぎられ、咀嚼された記憶だけが残ってます」
オ「でも実際に食べられたわけではありませんよね? 今、パルクスさんは五体満足ですし」
パ「……だぁかぁラァ! よく覚えてねぇーって言ってんだろぉぉぉおぉぉォォォオオオオ!?!?!? その耳は飾りもんかアアアアア!??!? オイ! オイ! 臓物引き摺り出してぶち転がすぞてめぇんんん!!?!? あ! あ! ああああああ! 怖い怖い怖い怖い怖い! いやだいやだいやだ! 食べないで食べないで食べないで! ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! うわああああああああああああ ゔぉぉおおおえええええええええ!!!!!」
ここでインタビューは打ち切り”
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