帰宅
その後授業全部を起きて受けて家に帰ると、父さんが居た。
研究室から出ているなんて珍しい。父さんは、いつも部屋にこもって論文を書いているか、学会に顔を出すか、近所の高校で物理を教えているかの3択だ。
「おかえり、悟。今日は何を習ってきたんだ、」
父さんは、僕に気付くと、台所に向かい麦茶をコップに注ぎ、持ってきてくれた。我が家は、冬はほうじ茶で夏は麦茶なんだ。
「今日は…国語は文法、数学は方程式、美術は技法みたいなやつで、保健体育は性教育。理科は物質の変化で、社会は…えっと、地理だった。」
記憶を辿りながらそう延べると、父さんは、まだ父さんの得意分野ではないな…と言った。
「今日はクラスの男子が特に馬鹿になっていたよ。性教育だからってあんなにはしゃがなくてもいいのに。」
麦茶を啜り、ぶつぶつと溢すと父さんは
「年頃だからなぁ…むしろ悟は興味を持ってなさすぎて少し心配なくらいだ」
と笑いながら答えた。
みんなあれくらいが普通なのか…僕は天才だから関係ないが。
「ほら、悟、予復習してきなさい。部屋のパソコン直しておいたから使えるようになってるよ」
「ありがとう父さん」
麦茶を飲み干し、コップを流し台に置いて、学校に持っていってたリュックを持って自室へ向かった。
僕の初めて。 海原シヅ子 @syakegod_umi
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