笑顔発電

@ramia294

第1話

 笑顔。


 高度な脳の活動。

 大人の。

 子供の。

 素晴らしい。

 心の花。

 咲くひととき。


 笑顔。 

 その時。

 脳が、発する波動。

 発見。

 その波動。

 電気変換する技術。

 誕生。


 効率よく変換。

 大きな電気量。

 エネルギーの不足。

 その心配。

 無くなる。

 か?


 笑顔?

 笑い?

 笑いの本場。

 大阪。

 たくさんの劇場。

 笑いの聖地。


 お笑いのプロ。

 レベルの高さ。

 ダントツ。

 劇場に、笑顔発電システム。

 大きな、大きな発電量、期待する。


 しかし…。


 発電効率60パーセント。


 意外と上がらず。

 レベルの高い聖地。

 お客様のレベルも高く。

 厳しい視線を向けられる、芸人の皆さん。


 東京の劇場。

 すでに、聖地のお笑いに。

 席巻されています。

 しかし…。

 都会のお客様。

 少し優しく。

 発電効率。

 70パーセント。


 芸人の皆さん。

 頑張って下さい。

 エネルギー庁より。


 強い味方発見。

 女子高生。

 お箸が、転んでも笑う。

 お年頃。


 発電に協力してもらいました。

 携帯型発電器。

 笑顔の力をみんなのために。

 スマイルパワー。

 略して、

 スマパ。


 女子高生の皆さんに、ひとつずつ。

 送られてきました。

 エネルギー庁からのお願い。

 毎日、携帯して下さい。

 あなたの笑顔が、この国のエネルギー問題解決します。


 それからのこの国のエネルギー。

 溢れる電気エネルギー。

 偉大な女子高生パワー。


 エネルギー不足?

 どこの国の話でしょう?


 女子高生。

 とっても可愛い女子高生。

 クリクリの大きな目。

 バラ色の頬。

 サラサラの髪。


 しかし…。


 大きな目は、涙に濡れ。

 バラ色の頬は、白く透き通る。

 サラサラの髪は、風に吹かれて。


 彼女の発電効率は、不安定。

 10パーセントから50パーセントを行ったり来たり。


『私、どうしてしまったの?』


 夜空の星、見ている彼女。

 その心には、あいつの姿。


 幼なじみのあいつ。

 女子高生の心の乱れる。

 テニス部のキャプテン。

 何故?

 あいつの前では、素直になれない?


 朝が来た。

 

「おはよう」


 いつもの、あいつの挨拶。

 爽やかな、笑顔。

 真っすぐに、彼女を見る。

 澄んだ瞳。


「おはよゥ」


 胸が詰まり、声が出なくなる。

 目を伏せる。

 視線が、合わせ、

 られない。


『私、どうしてしまったの?』


 乱れる心。

 落ちる、発電効率。

 10パーセント。


「元気無いな?眠れなかった?ゲーム?勉強?」


 あいつの心配。

 嬉しい。

 女子高生。

 けど、言えない。

 伝えられない。

 自分自身が腹立たしく。

 涙ぐむ。

 クリクリの大きな目。


「何でもない」


 ぶっきらぼうに、出た言葉。

 ますます、落ち込む。

 発電効率。

 0パーセント。


 あいつの顔を見ると。

 嬉しかったり、怒ったり。

 突然の笑顔。

 突然の涙。


 『私は、病気?』


 女子高生は、たいへん。


 堪らず、お友達のアコちゃんに相談。


「それは、恋だね」


 鯉?

 故意?

 …。

 恋!


『まさか!私が、あいつに恋』


「頑張れ女子高生。あいつは、テニス部のキャプテン。成績優秀。爽やかな笑顔のイケメン。でも、モテモテのあいつの視線の先には、いつもあんたが…。迷っていると、誰かに奪われちゃうぞ」


 あいつに。

 この私が。

 恋?


 女子高生、ようやく気づく。


 あいつが、

 誰かに

 奪われる。


 女子高生、ピンチ。


 あの優しい目が、他の女の子を。

 見つめる。

 嫌だ!


 女子高生、決意する。

 女子高生、走る。

 あいつの元へ。


「頑張れ、鈍い女子高生。エネルギー庁のおじさんも応援してるぞ」


 アコちゃんの応援。


 女子高生、あいつの元へ。


 笑顔で、迎えるあいつ。


「私…」


 素直な心。

 紹介します。


「それでは、僕も」


 変わらぬ思い。

 改めて。


 あの頃よりも。

 もっと。

 もっと。

 近づく。

 ふたり。

 の…笑顔。


 発電効率100パーセント。


 スマパ。

 今日もフル稼働。

        

        終わり








 

 

 

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