白馬の王子様を待ち続ける幼馴染を守るのは俺の役目

蒼あかり

第1話

「アンディ、聞いて! ラルム様ったらひどいのよ。

 いきなり二人だけで会おうだなんて言って、腰に手を回して来たの。

 侍女もつけずにおいでだなんて、私をなんだと思っているのかしら?

 あんなに可愛いとか、愛しいとか言っておきながら花の一つも贈ってこないで、いきなり二人きりなんて。私がいくら物知らずでも、それくらいわかるわ。

 彼は私の事、見た目通り頭の空っぽな娘だと思っているのよ。

 こんな侮辱許せないわ!


 ……ちょっと、アンディ! 聞いているの?!」



 アンディ・クレイドの幼馴染であるミリア・エイベルが髪を揺らし、息を切らせながら駆け込んできた。

 ミリアは煌めくブロンドに眩いばかりの碧い瞳、そして人目を惹くほどの美しいプロポーションの伯爵令嬢だ。

 エイベル伯爵家とクレイド侯爵家は隣り合わせの領地で、子供の頃から兄弟を交えて交流があった。そして、王都でのタウンハウスが近いこともあり、幼馴染の域を超え家族ぐるみで長年の付き合いだ。

 その幼馴染の彼女がアンディのタウンハウスに飛び込んで来た。

 いつものことだから、使用人達も何も言わずに好きなようにさせているのだが。


「ミリア、いつも言っているだろう? いくら幼馴染とは言え、若い令嬢が先触れも無しに一人で男の家に来るもんじゃない。誰に見られるかわからないんだから」


「だって、アンディの家よ。問題はないでしょう?」


「問題があるから言っているんだ。僕は王宮騎士で、この館に一人暮らしだ。いくら使用人が居るからって若い令嬢が行き来をしていたら、いらぬ誤解も生まれかねない。

 君の母上からも強く言われていただろう?」


「だって。誰かに聞いて欲しくて、それで……」


「だってじゃない! もう、こんなことは止めるんだ。いいね?

 それに、剣の稽古中は近づくなとも言ってあるだろう? もし、手が滑って剣が飛んで来たらどうするつもりだ? 危険だと何度言えばわかるんだ?」


「……はい。ごめんなさい」


 アンディの幼馴染は子犬のようにしょんぼりと項垂れてしまった。これが演技だということくらいわかっている。それなのに、ついつい許してしまうのはアンディの甘さ故だ。


「まあ、来てしまったものはしょうがない。少し休もうと思っていたところだ。一緒にお茶にしよう。ちょうど貰い物の焼き菓子があったはずだから」


「良いの? アンディ、怒ってない?」


「もう、怒ってはいないよ。今度から気をつけると約束してくれるならね」


「わかったわ、約束する」


「よし、いい子だ。じゃあ、手を洗って来るから先に待っていて。セバスチャンに案内してもらうんだ」


 アンディは執事のセバスチャンに目配せをすると、彼はいつもの事のようにミリアを連れて行った。

 たぶん、庭の四阿だろう。今は薔薇の花が咲き乱れている時季だから、目の保養にちょうど良い。


 ミリアはエイベル伯爵家の令嬢で17歳。そろそろ婚姻先の選定も本格的に進めなければいけない時期だろうに、彼女の願いでそれも止まっているらしい。

 ミリアは少し夢見がちな娘で、いつか白馬に乗った王子様が迎えに来てくれると信じている。もちろん本物の王子様など絵本の中のことだとわかっている。それでも親の言いなりではなく、恋をして請われて嫁ぎたいと真剣に思っているのだ。

 もう少し幼い頃ならまだしも、適齢期を迎えた今となってはそれは婚姻相手としては望まれにくい。夫を支え、家を守る夫人がそれでは安心して任せることができないから。

 それなのに、人目を引く美貌が男どもを引き寄せてしまう。そして、その誘いにひっかかりそうになるから厄介だ。

 正妻には向かなくても、愛人や浮気相手には丁度いい。そんな男心を理解して男を手玉に取るほどには、彼女はまだ成熟していない。


「夢見る愚かなミリア」社交界で噂されていることも、彼女は知っている。

 それなのに、未だ夢から覚めることができない、アンディのかわいい幼馴染なのだ。


「アンディ、こっちよ」


 四阿から手を振る彼女は陽に当たり、煌めき美しい。これでは男どもが心を奪われるはずだ。アンディは彼女の眩しさに少し目を細めた。



 しばらく愚痴をこぼした後、彼女はスッキリしたのだろう、笑顔で帰って行った。

 いつもの事だ。男に誘われ、馬鹿にされたと怒って愚痴をこぼしに来る。

 もう何人目だろう? 社交界デビューをしてから早2年。その間、いつも、いつも男たちの目に止まり誘いを受ける。

 彼女は決して馬鹿ではない。身持ちが悪いわけでもない。ただ、夢を見続けているだけなのだ。いつか本当に愛してくれる人が現れて攫ってくれると。

 そんな幼馴染の相手も、そろそろ難しくなってきたのかもしれない。

 アンディは限界に近い想いを胸に秘めた。




「アンディ。ちょっと良いか?」


 騎士隊の仕事が休みの今日。来客続きで書類の整理もままならない。ま、いつもの事なんだがと、苦笑いをしながら見上げた視線の先には、ミリアの長兄であるクリフが執務室に顔を覗かせた。


「ああ、大丈夫だ。入れよ」


 クリフとアンディは同い年で学院も一緒だった。彼とも幼馴染で腐れ縁。気の合う良いヤツだ。


「また、わが家の姫君が邪魔をしたようで、いつもすまない」


「いや、いつものことだ。慣れているよ、気にするな。まだ少し日は高いが酒にするか?」


「そうだな、一杯だけ」


 アンディは蒸留酒をグラスに注ぎ、クリフに手渡した。それをありがとうと受取り、チビチビ口にしだした。


「実は、ミリアのことなんだが……。もうそろそろ、このままって言うのは難しいと思うんだ。兄としては、もう少し夢を見させてやりたい気もするんだがね」


 クリフも妹の行く末は気になるのだろう。ましてや、散々夢を壊され泣いてきたかわいい妹だ。


「守り切れなくなる前に、ということか。良いのか? お前の、エイベル家の姫だろうに」


「ああ、大丈夫だ。家族の総意だよ。こんなこと、お前にしか頼みたくないんだ」

 

 そう言って幼馴染で親友は、クイッとグラスを開けた。


「良いようにしてくれて構わない。お前にまかせるよ」


 クリフはグラスをテーブルに置くと、手をひらひらとさせながら部屋を出て行った。


 アンディはソファーに座ったまま、天を仰いだ。

 未だ決めかねる気持ちに終止符を打つ時が来たのかもしれないと、覚悟を決めた。

 



 それからしばらくミリアは彼の元を訪れなかった。

きつく言い聞かせたことで少しは大人しくしているものと思ったアンディは、少しだけ安心していた。

だが、王宮で事務官をしているクリスに宮殿内で偶然すれ違った時、自分の思惑とは真逆に事が運んでいて驚いてしまった。

 

「ミリアも少し落ち着いたのか、今度はまともな相手を見つけて来たんだ。

 デリス子爵家のフランクだ。取り立てて良い噂も聞かないが、悪い噂も聞かない。

 家格は落ちるが、どうもミリアに本気らしい。兄としては複雑だがね。

 そう言うわけで、この前の話は少し待ってくれないか。今回もどう転ぶかまだ分からない」


「ミリアの為には良いのかもしれないな」


 アンディとクリフは少しだけ視線を合わせると、複雑そうに笑った。

 笑顔の裏の思いは微妙に揺れているようだった。




 そのまま何事もなく過ぎると思っていた。

 幼馴染達はお互いの人生を進み、たまに顔を合わせては懐かしむ。そんな関係を続けられると思っていたし、それが良いと思っていたのに……。


 ある日、アンディは王宮内でクリフから声をかけられた。

 騎士の仕事を終わる所を待っていたようで、何時間待ったのだろう? 彼の頬は赤くなり寒さに耐えているようだった。


「アンディ、頼みがある。ミリアの様子を見に来てくれないか?」


「ミリア? ミリアがどうかしたのか? 具合でも?」


 クリフは言いにくそうに顔をゆがめ「歩いて帰らないか?たまにはいいだろう?」そう言いながら、すでに歩き出していた。


「実はミリアが部屋から出てこないんだ」


「部屋から? 何かあったのか?」


「大きな声では言えないが……あった」


「なにが? 何があった?」


 クリフは俯きながら一言、一言、区切る様に話して聞かせた。




 最近、ミリアはフランクと親しくなり、お互い節度ある付き合いをしていたという。

 しかしフランクはミリアを崇拝するように恋慕い、婚約を熱望するようになっていった。

 家格の違いや、嫡男ではないことなどを考慮して、婚約の話は先延ばしにしていたらしい。

 ミリアも上手くはいっていても、先の事はもう少し様子を見たいと思っていたようだ。

 そんなふうだったから、クリフも家族も皆が油断をしていたのだ。

 

 取り立てて可もなく不可もない、平々凡々な子爵家の令息。

 大きな事が出来るとは誰も思っていなかった。甘く見すぎていたと後悔しても時は戻らない。


 いつものように、花束を持ってミリアに会いに来たフランク。

 いつものように、天気のいい日は四阿でお茶をしながら会話を楽しむ。

 いつものように、ミリアの話に耳を傾け笑顔で聞き入るフランク。


 いつものように過ぎる中で、使用人の中にも慣れと油断が起きてしまったのだろう。

 ほんのわずかな時間、使用人が席を外したほんの些細な時間を狙ったかのようにそれは起きてしまった。


 いつものように、フランクはミリアの手を取りそっと唇を寄せる。

 それくらいなら挨拶程度だ。誰も咎めたりはしない。

 なのに、その日は違っていた。いつもより強引に手を引き寄せ、自分の妻になる様に懇願したらしい。婚約は家と家の繋がりが大きい。まずは親同士に話し合いをしてもらいましょう。とのミリアの言葉は宙に浮き、気が付けばフランクの腕の中に収められていた。

 驚いたミリアが立ち上がろうとするも、四阿の中は狭く身動きが取りづらい。

 それでも身をよじり、手を振り解きなんとかその場から逃げようとするが、フランクは執拗にミリアを追いかける。

 

 今まで男の腕の中など家族以外で経験したことのないミリアは驚き、恐ろしさが勝ってしまっていた。

どうして良いかわからず、言いようのない不快感が込み上げ、たまらない気持ちになった。

 人間、本当に恐ろしいと声も出ないのだろう。何とか逃げなければと、恐ろしいその手から逃げる事だけしか考えられず、助けを求めることなど思いも浮かんでは来なかったのだ。

 

 逃げる際、躓いて転んだミリアの上にフランクは覆いかぶさるように組み敷いた。

 恐ろしい者を見るような目でミリアはフランクを見つめる。そんな目を見ても彼の手が緩むことは無い。


 わずかに動く唇から零れた言葉は『アンディ』。

 いつも自分を子供扱いする、あの幼馴染の名だった。



 すでに姿の無くなった四阿に使用人が戻った時、ミリアはフランクの腕の中で泣いていた。手で顔を覆い、恐ろしさで声も出ない中泣き続けていたのだ。


 未遂で終った一件は、躓き転んでバランスを崩しただけで、他意はないとフランクは語った。

 ミリアは何も言葉にすることはなかった。このままではあいつの言うとおりになってしまう。お前が一言違うと、そうじゃないと言えば、あいつを破滅させることも出来るとクリフは訴えたが、頑としてミリアは口を開かなかった。


 結局フランクの言う通りあやふやになってしまったが、伯爵家から子爵家へと苦言を呈し、二度と顔を合わすことのないよう、彼は王都を離れ領地に引きこもったと言う。

 もし、この事が公になった時は子爵家からの漏洩と判断し、いかなる措置も惜しまないと脅迫まがいに脅すことも忘れなかった。



「あれから2週間近く経つ。ミリアは全く部屋から出てこないんだ。特定の侍女だけをそばにおいて、母とも会いたがらない」


「なんと言っていいか……」


「いや、何も言わなくていいさ。全てミリア本人と、わが家の問題だ。守れなかったのは俺たち家族のせいなんだから。

……ただな。助けに入った使用人が言うには、ミリアは泣きながらお前の名を口にしていたらしい。掠れた、かすかな声で、お前の名をずっと繰り返しつぶやいていたらしい」


「俺の?」


「あの話はまだ有効か? ミリアの幸せだけが望みだ。他には望まない。

 あいつは、昔からずっとお前だけを見て来た。お前の姿を追って、声を聞き分けて、存在を確認するために王都まで追ってきたんだ。気が付いているんだろう?

 あいつを、ミリアを守ってやってはくれないか?」


 幼馴染であり、親友であり、血を分けた兄よりも大事な戦友のようなクリフが、アンディに頭を下げる。

 道すがら話す彼の頬には、妹を思う暖かい雫が伝っていた。


 アンディはクリフの肩に手を置くと「先に行く」と告げ、そして駆け出した。



 息を切らせ、たどり着いたエイベル伯爵邸。

 いつもはミリアやクリフがエイベルの館を訪ねるだけで、アンディがエイベル家に顔を出すことはほとんどない。 

 それでもエイベル邸の使用人はすぐにアンディを邸内に招き入れ、伯爵夫人を呼んでくれた。

 アンディはそんな間も惜しいと、すぐにミリアの部屋まで走り出した。

 後を追う執事に、伯爵夫人は「いいのよ。まかしておきましょう。彼でなければ、あの子は救えない」そう言って寂しそうに微笑んだ。




「ミリア、聞こえるか? 俺だ、わかるか?」


 ノックも忘れ、ミリアの部屋の前で呼びかけるアンディ。

 

「ミリア、俺だ。アンディだ。俺以外、誰もいない。

 しばらく君の顔を見なかったから寂しくなって、ミリアの顔を見せてほしいんだ。

 ここを開けてくれないか?」


 アンディが語りかける扉の向こうで、人の動くようなわずかな音が聞こえる。

 扉の向こうで思案しているのかもしれない。

 思うところがあって閉じこもっているのだ、簡単ではないと思う。それでも、それでもミリアを、そして自分自身も救いたいと切望していた。


「ミリア。顔を見るだけでいい。無事な姿を一目、見せてはくれないか?」


 想いを込めて告げる言葉は熱を帯び、扉の向こうで聞いているミリアの胸を溶かしていった。


 ガチャリと鍵が解ける音とともにゆっくりと開く扉の向こうには、少し痩せた愛しい幼馴染がうつむいたまま立っていた。

 アンディはミリアの姿を瞳に映すと、たまらずその肩を引き寄せ自分の腕の中に包み込んだ。

 

「ミリア……」


 彼女の肩を、頭を抱え込むように抱きしめた彼の腕は容赦ないほどに力強かった。

 あんなことがあった後だ、男を恐ろしいと感じているかもしれない。

 暴れて逃げ出すかもしれない。こんなことは彼女のためにならないと頭ではわかっていても、咄嗟に動いた体は気持ちに素直すぎ、それに抗うことができなかった。


「アンディ。アンディ……」


 ミリアは力強く抱かれた彼の腕の中で、泣きながら彼の名を呼び続けた。

 拒まれると思っていたミリアの手は、アンディの背に回されジャケットを固く握りしめ決して離そうとはしなかった。


「ミリア。俺の、俺だけのミリア」


 優しく、ささやくように自分の名を呼ぶ声に反応するように、ミリアはゆっくりと顔を上げる。彼女の瞳に映るのは、愛しい幼馴染の瞳。

 ミリアの髪を、頬をなで、その額にゆっくりと唇を落とす。


「俺は侯爵家の次男で後継ぎではない。王宮騎士ではあるが兄が代を継げば侯爵家の息子では無くなってしまう。ゆくゆくは騎士も辞し、領地に戻り兄の手足となり領地を守ることになる。その時には爵位もなく、王都で華やかな生活も送れない。

 それでも、こんな俺でよかったら、一緒になってくれるか?」


「アンディ。私が社交下手なのを知っているでしょう? 本当はドレスだってコルセットがきつくて嫌いだし、高いヒールも転びそうで苦手なの。

 本当は子供の頃みたいに広い領地で田畑を耕したり、魚を釣ったりして過ごす方が好きなのに、皆がそれを許してくれなくて。

 アンディ。あなたこそ私で良いの? 私がなんて呼ばれているか知っているんでしょう? それでも、こんな私でも本当にお嫁さんにしてくれる?」


 ミリアは真剣な瞳で聞いてくるが、そんなことは彼にとって無意味でしかない。

 ミリアの、彼女の存在自体が全てなのだから。


「どんなミリアでも構わない。俺にとってはミリアが全てだ。お前じゃなきゃダメなんだ」


「嬉しい! アンディ、本当はね。私にとっての王子様は子供のころからずっと、あなたただひとりなのよ」


「知っているよ。俺がミリアのことでわからないことがあると思うか?」



 ミリアの頬の涙も乾き、いつしか瞳にも頬にも自然に笑みがこぼれ始めた。

 回り道をしたけれど、ようやくたどり着いたその腕の中でミリアはゆっくりと瞳を閉じた。

 そして、ようやく腕の中で守れることに安堵したアンディもまた、ゆっくりとその瞳に口づけをした。

 



~・~・~



「ねえ、アンディ? いつお嫁さんにしてくれる?」


「そうだな、まずは婚約が先だ。そして、色々準備を整えてからだから、早くて1年後くらいかな?」


「ええ?! そんなに先なの? ダメよ、そんなの。私待てないわ。今すぐ一緒になってくれなきゃダメよ」


「ダメって言っても、それこそ色々あるだろう? ミリアだって結婚式に夢はあるだろう? ドレスだって市販の物じゃいやだろうし、教会だって空いてるかどうか?

 それに陛下の証明が無ければ教会が許してはくれないだろう」


「うふふ。私、ひとつだけ知ってるの。早く結婚できる方法。聞きたい?」


「うん、なに?」


「あのね……」


 アンディの耳元でささやかれたそれは、奥義中の奥義。

 貴族令嬢として、矜持を捨てるものだった。


「ミリア、それはダメだ! 俺は男だから構わないが、君の名に傷がつく。それだけは容認できない!!」


「なぜ? 私は早くアンディのお嫁さんになりたいの。あなたの、あなただけのものになりたいの!! 何年待ったと思ってるの? もう待てないのよ!!」


「まて! ミリア待つんだ。ミリア、ミリアーー!!」





 それから一年も待たずに二人は教会で愛を誓いあった。

 そして、すぐに愛の結晶を腕の中に抱きつつ、領地でのびのびと過ごすことになる。



「まったく。君がお転婆でいう事を聞かない子だって、すっかり忘れていたよ」


「あら、随分ね。行動力があるって言ってくれない? ね、旦那様」


「君には敵わないな。僕の愛しい幼馴染さん」



 ふたりの唇がゆっくり重なり合うその腕の中で、愛の結晶が目を覚まし微かに開いた瞳でふたりを見つめていた。

 



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

白馬の王子様を待ち続ける幼馴染を守るのは俺の役目 蒼あかり @aoi-akari

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ