ショートショート:夢オチ
『どうも! 「聖女☆クライシス」運営でっす!』
「……はい?」
『このたびは、追加コンテンツ「悪役令嬢アクゥーヤ編」をプレイ頂きまして、まことにありがとうございました!』
「……えっと? 追加コンテンツ?」
『今回の追加コンテンツは、皆さまから頂きました悪役令嬢アクゥーヤへの熱い想いをふんだんに取り入れた意欲作になります! 皆さまからのご要望につきましても、可能な限り取り入れさせて頂きました! きっとご満足いただける仕上がりになっているものと確信しております!』
「……あの、え? つまりアクゥーヤさまが攻略対象?」
『特に! 「むしろアクゥーヤさまに攻略されたい」という斬新なファンレターを数多く頂いたことにつきましては、我々運営としても目の覚める思いであり、是非ともこれは実現せねば! と一致団結して取り組んで参りました! 「攻略された感」を演出するに際しましては大変な苦労もありましたが、メインストーリーでは決して明かされることのなかった悪役令嬢アクゥーヤの新たな一面を余すところなくお見せ出来たのではないかと自負しております!』
「……えぇー……攻略されちゃったのか私……」
『頂きました熱いファンレターの数々に感謝するとともに、今後ともより一層の応援を宜しくお願いします!
なお、この世界は自動的に消滅します! それでは次回作にご期待ください!』
「え、ちょっと!?」
暗転。
◇
「……っていう夢を見たんです。怖かったよぉアクゥーヤさまー」
「ええと、夢の内容はさっぱり理解できませんでしたが、大変でしたのね聖女様」
「あーん、アクゥーヤさまの
「はいはい。夢ではありませんわ、わたくしはここにおりますわよ」
「わぁーい。アクゥーヤさまー。すりすりー」
「まあ、聖女様ったら。うふふふ」
(アクゥーヤさまが相変わらず聖女様だわー。いえ、このバブみはもはや聖母様よね。もういっそアクゥーヤさまから生まれたいわー。産んでほしいわー)
(聖女様、まるで幼な子のように甘えてきて。よほど怖かったんでしょうけれど、そんな聖女様もまた愛らしいですわ。ああ、イケナイ扉を開いてしまいそう)
((……
乙女ゲーのヒロインですが攻略対象達の雰囲気が最悪です えこでれ庵 @ecodere
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます