最終話
晴渡は息を止めてしまう。
ただジィッと黙り込むしかなかった。
暫くしてから息を整え、晴渡は言葉を紡いだ。
「あ、あのさ……今の……う、嘘だよな?」
否定して欲しかったが、雨咲の言葉は決してそぐわない。
「ほんとだよ? この世界を作ったのは、わたしなの」
「なんでこんな真似を?」
「晴くんともっと一緒に居たかったの」
常識では考えられないことが起きた。
尚且つ、それを起こしたのは目の前に居る女の子。
数ヶ月前まで付き合っていた彼女であった。
「でもどうやって?」
「毎日お願いしてたんだ。晴くんと一緒になりたいって。叶ったんだよ」
「何でもアリだな……ほんとう」
幽霊やUFOを信じない派だが。
それでも今起きている現象を信じないわけにはいかない。
晴渡はもう納得するしかなかった。
「もしかしたらこれもわたしの夢かもと思ってる」
「夢にしては長すぎる話だぜ。それに俺だっているし」
脱出不可能の教室を作り出していたのは、元カノ雨咲雨。
それだけでも分かれば、残りは簡単な話だ。
晴渡はほっと一安心しつつも、雨咲雨へと訴える。
「さっさと元の世界に帰らせてもらおうか?」
「………………ん?」
雨咲の笑みから朗らかさが消え失せた。
信じていた相手から裏切られてしまったみたいに呆然とし、言葉を出すまでに時間が掛かっていた。今の流れが理解できてないのだろう。
「……さっさと家に帰らせろよ」
晴渡の言い分は正しい。
突然変な世界に連れてこられたのだ。
家に帰らせろと主張するのは極々当たり前なことだが。
「嫌だよ。帰らせるわけないじゃん。ずっとこのままだよ」
「はぁ?」
「さっき言ってたじゃん。このままでもいいかもって」
「言ったけど……そ、それは……」
「いいじゃない。このまま二人でこの世界で楽しもうよ」
「元の世界に帰りたい」
「……それの何がいいの?」
「何がいいって……」
帰りたいという気持ちは残っている。
だが、元の世界の何がいいのか。
その答えは出てこない。
「わたしたち二人きりだけ。楽しいと思うけどな」
「息苦しいだけだ」
「大丈夫だよ、わたし神様だもん。この世界の」
二人しか居ない教室を歩き回りながら、雨咲雨は言う。
「晴渡くんが欲しいというもの、わたしなんでも出せると思う。どんなものだって、わたしなら……晴渡くんにプレゼントできる。マンガでもアニメでもラノベでもなんでもなんでも……わたしなら渡せるよ?」
確信に満ちた声だった。必ずできると自負しているのだ。
それにもかかわらず、雨咲雨の態度は自信満々ではなかった。
見る限りでは、体をガクガクと震わせているのだ。晴渡の返事を恐れているようだ。
「……俺は何も要らないよ」
晴渡の声に空かさず、雨咲の声が重なる。
「わたしのこと嫌いなの?」
「……そういうわけじゃない」
「それならいいじゃない。このままずっと二人で!!」
雨咲雨は感情的になった。
右足を前へと突き出し、豪快に音を立てる。
怒りか、それとも悲しみか。
何が彼女を突き動かしているのだろうか。
「わたしへの想いも変わったでしょ? ここに来て」
雨咲は縋るように言った。
だが、晴渡の返事は無慈悲なものだった。
「生憎だが、俺の想いは変わってねぇーよ。ここに来る前と一緒だ」
「………………ふざけないで。折角、この世界を作ったのに。そ、それなのに、……なのに……どうして受け入れてくれないのよぉ!!」
床がグラグラと揺れ動く。
それと同時に、ピカピカと月光が点灯した。
まるで、寂れた公園にある外灯みたいである。
「何だ……こ、これは!」
立つことさえやっとだった。
しかし、雨咲は全く倒れる気配もなく、駆け出していく。
教室からは出られないはず。
感情が爆発している雨咲を引き止め、話を持ちかけるしかない。
このままでは冷静な判断はできないはず。
「……おいおい……何でもアリかよ。マジでよ」
雨咲雨は見えない壁を擦り抜けて、そのまま出て行った。
振り返ることもない。けれど、彼女が教室出ていく前に、目元から涙が出ていた。流石は無重力。その水滴はぷかぷかと浮かんでいた。
「また……俺はアイツを泣かせてしまった……ほんとう最低な男だぜ」
***
「ごめんなさい。わたし……もう無理だわ」
涙ながらに別れを告げられたのは、数ヶ月前の出来事だった。
生まれて初めての彼女。
雨咲雨は美しい女性であった。自分には勿体ないと思えるほどに、煌びやかで、自分とは住む世界が違うと思うほどに、儚げなひとだった。
お似合いの二人と呼ばれたことはなかった。釣り合わないというのは付き合う前から分かりきっていた。正直なところ、未練を消すために、告白したのだ。絶対に後悔しないようにと。
そしたら、意外にも付き合えて——。
この世界で一番大切だった。一生幸せにしてあげよう。
この世界の誰よりも、自分の彼女が幸せだと胸を張って答えられるようにと思っていた。信じていた。
雨咲雨の笑顔を見るだけで、幸せになれた。
でも、次第に避けるようになっていた。
怖かったのだ。自分が本当に雨咲雨の彼氏でいいのかと。
自分みたいな何の取り柄もない男が、雨咲雨を幸せにできるのかと。
だからこそ、別れを告げられ、素直に受け入れてしまったのだ。
「あぁーもう終わりだよ、俺たちは」と。
本来ならば、引き留めなければならないのに。
彼女は涙を流していたのに。何もできなかった。
***
「……何やってんだよ……お、俺は……二回もよ……」
晴渡は気合を入れ直す。決意はもう既に固まっていた。
「もう二度と俺は間違えない!!」
晴渡はタックルを仕掛けるように、ドアへと向かった。
見えない壁にぶつかる。ぶつかったとしても何度でも立ち向かえばいい。一回でダメなら十回、十回でダメなら百回。何度でもだ。
そう思ったのだが、意外なことに壁は意図も簡単にすり抜けることができた。結果、勢い余ってそのまま晴渡はクルクルと前回りしてしまった。
「いてて……だけど、教室から出れたぜ。あばよ」
晴渡は駆け出した。
前方を走る雨咲を追いかけるしかない。
キュッキュというシューズ音が聞こえてくる。
「おい、待てよ!!」
雨咲は足が早かった。
体育では、辛そうに走るタイプなのに。
けれども、今はこの世界の神様。
多少は自分の体力を上げているのか。
雨咲雨との距離は全然縮まる気配がない。
「待てって。なぁ? なぁ、た、頼むからさ」
「待つわけないでしょ!!」
「俺と話をしよう。なぁ? 話せば分かりあえるはずだ」
聞く耳を持たない雨咲雨が向かった先は、最上階。
階段を上がり辿り着いた先は屋上。
どこに行こうとも、宙を浮かぶ水滴を追えば場所が分かってしまう。
「残念だったな……お前はもうここで終わりだ」
ドアの向こう側には、人影が見える。チェックメイトだ。
そう思って、ドアノブを回すのだが……開かない。
「ふっ、鍵をかけさせてもらったわ」
息を切らした雨咲雨の声が聞こえてきた。
やはりこの奥に居るらしい。
それなのに、そこに行くまでにはドアが邪魔だ。
「ふざけるなよ……反則だろ」
「わたしのやりたい放題できる世界だもん」
「何でもアリだな。それなら俺からも手を出させてもらうぜ」
屋上へと繋がる場所には、余った椅子や机が並べられていた。
少子化が進んだ現在ではありがちな光景だ。教室内の壊れた机や椅子を補充するために置いているとも聞いたことがある。
とりあえず、大人の事情はどうでもいい。
「んっしょ」
晴渡は近くの椅子を手に取る。
「な、何するつもり?」
「あぶねぇーからちょっと離れとけよ」
頭上へと高く持ち上げ、そのままドアへと振りかぶる。
ガッシャーンという音が聞こえるのだが、壊れる気配はない。
「い、今の音はッ!!」
「ドアぶっ壊そうと思ってな」
「ここはわたしの世界なの。開くはずないわ」
雨咲雨。
この世界を創り出した神様はそういうけれど。
晴渡は決してやめない。やめるはずがない。
「やってみねぇーと分からねぇーだろ」
「百聞一見に如かずって言ってたでしょ? 試して無理だったじゃない」
「無理とか決めつけるなよ。俺は絶対に壊すよ」
晴渡はもう一度椅子を持つ。
力の限り殴った結果、変形してしまった。
それでもまだドアを壊すには使えそうだった。
「なぁー。雨、実は俺さ……雨咲雨が大好きなんだ」
勇気を出す必要はなかった。
ただ、本心を伝えるだけだったから。
むしろ、言えてほっと一安心してしまう。
「えっ?」
雨咲は疑問を呈してきた。
突然の事態に対応できないようだ。
あたふたしているのが、ガラス越しのシルエットで分かる。
「雨のことを考えるだけで、胸が熱くなる。他の男と雨が喋っているだけでイライラしちまう。大分、お前のせいで頭おかしくなってるんだ」
「ええええ?」
「ここに来て、やっと気付いた。俺の人生には雨咲雨が必要だって!!」
晴渡の心に嘘偽りはなかった。
「ただその前に……このドアを壊さねぇーとな」
晴渡は椅子を持ち上げ、また思い切り振りかぶる。
見えない壁がある。それは知っている。
それでも、壊して会いに行くしかない。
ガッシャーンと、金属音が響き渡る。
「雨に別れを告げられたとき、めちゃくちゃショックだった。どうして振られるんだと思った。どうしてだって聞けば良かったかもしれない」
まだ壊れない。それならば——まだまだ続けるしかない。
「そんなの嘘よッ!? わたしを避けていたじゃない!! 付き合ってから、ずっとずっとわたしを蔑ろにしてたじゃない!! 今更遅いわ!!」
一枚壁の向こう側から聞こえてくる声は、怒号を含んでいる。
「怖かったんだ。元々俺と雨じゃ釣り合ってないし……」
だからさ、と呟いて。
「逃げちまってた。俺がお前からずっとずっと」
「ふざけないでッ!? 何を今更……わたしが……わたしが……い、今まで……どんな思いで……どんな思いになっていたか……ずっとずっと晴渡くんのことが好きだった。それなのに……避けられていた。もっともっと大切にしてほしかった。寂しかった。わたしのこと嫌いになったのかなと不安に思った……だ、だから……わたしは……別れを告げたのに……」
晴渡は雨咲を避けていた。
それは雨咲を大切にする一心で行ったものだった。
でも、雨咲は晴渡から避けられていると思い、不安になってしまった。寂しかったのだ。もっと相手して欲しかったのだ。
「今でも、わたしは晴くんのことが好き!! 超超大好きッ!?」
二人はお互い大好き同士だったのに。
ちょっとした歪みで、お互い理解できず、別れてしまったのだ。
二人とも、今でも大好きなのにもかかわらず。
「ごめん。俺が傷付けてた。悪かったな、本当」
でも安心してくれと呟き、晴渡は何度も持ち上げた椅子を手に取る。腕には疲労が訪れていた。まるで、魔法にかかったかのように。
「もう二度と寂しい思いはさせねぇーから。今ここでぶっ壊してッ!」
それでも、彼は決して歩みを止めることはない。ドアを壊すまでは。
ガッシャーンッ!?
今までで一番大きい当たり。無慈悲にも大きな音が鳴り響き、そして遂にドアが吹き飛んだ。ガラス結晶の如く、小さな破片となったそれはキラキラと光輝きながら、外の世界へと飛び上がっていく。
「へへっ……雨咲……会いに来たぜ。少し時間はかかったがな」
晴渡は汗を拭いながら笑うが、雨咲はまだ歩み寄る姿勢は見せない。
「こ、来ないで……今更そんなこと言っても無駄ァ!!」
来るなと言われて、素直に聞くはずがない。
晴渡は少しずつ近づいていくのだが。
「何だ、アレは……?」
晴渡は頭上に浮かぶ世界を見上げながら呟いてしまう。
光の尾を伴う巨大な石がこちらへと迫ってきているのだ。一個だけではなく、数十個もある。月の周りを廻っていたはずものである。
「やっと気付いた? アレは隕石よ……もう全部終わりにしようと思って……へへへっ……もうこれで全部全部おしまいよ……」
「おしまい……? ど、どうするつもりなんだ?」
「ここで死ぬわ」
キッパリと言い、雨咲は屋上の端を指差した。
「晴渡くんは現実世界に戻れるわ、あちらから」
時空が歪んでいるのか、大きなシャボン玉みたいな空間ができている。
あそこを潜れば、現実世界に戻れるのかもしれないが。
「一緒に帰ろう、雨咲。もう一度俺とやり直そう。なぁ?」
「嘘よ、そんなの全部嘘ッ!! 現実世界に帰ったら、どうせわたしのことなんか……ただの重たくて気持ち悪い女だって言うに決まってるッ!」
「勝手に人を値踏みすんなッ!!」
「来ないでよ……お願いだから。これ以上来ないで……優しくしないで」
決して歩みを止めない晴渡に対して、雨咲は涙を流して懇願する。
「どうせ、晴渡くんはわたしのことなんか……ちっとも思ってない」
「どうでもいいなら、わざわざここまで来てないさ!」
「それなら……証明してよ。本当に好きだってことを」
「分かったよ。なら、お前と一緒に残ってやるよ、ここでさ」
「もしかしたら帰れないかもしれないのよ。そ、それでもいいの……?」
「あぁーいいさ。残ってやる」
「こ、怖くないの? 永遠の闇があるかもしれないんだよ。そこは地獄よりも苦しいかもしれない。そ、それでもいいの……?」
「永遠の闇? 地獄よりも苦しい? それを聞いたら、尚更、雨咲一人残すことはできねぇーな。ただし、一つだけ約束してくれよ」
「約束……?」
「あぁ。ここも時期に崩れ落ちるだろう。もしも、もしもだ。俺と雨咲二人とも生きてたら、もう一度やり直してくれねぇーか? 絶対幸せにしてやるからさ。もう二度と間違えねぇーからさ」
「…………う、うん……約束だよ」
「あぁー約束だ。一緒に天国か地獄か。はたまた……現実世界への帰還か。まぁー俺はどこ行っても付いていくけどよ」
綺麗な光を灯しながら、無数の隕石が校舎へと衝突した。
強い衝撃が起き、校舎はすぐさまに崩れ落ちる。
足場を失くした晴渡晴と雨咲雨は、真っ逆さまに落ちる。
下に見えるのは、真っ暗な世界のみ。
その先にあるのは何か分からない。ただ永遠の闇。
ただひたすらに二人は落ち続ける。
「……なぁ、雨咲。お前に言うべきことを忘れてたよ」
「何……?」
「俺さ、世界で一番お前のことを愛してるよ」
「…………バカァ……わたしも愛してるよ」
落下する二人は抱き合い、唇を重ねた。
◇◆◇◆◇◆
「ぎゃああああああああああああああああああああああ」
高鳴る心臓と共に、晴渡は奇声を上げながら目を覚ました。
自宅だ。何の変わり映えもない日常風景。
カーテンの隙間からは朝日が差し、早く起きろと訴えている。
「…………なんて夢を見たんだ、お、俺は……」
気怠さがあるものの、体に鞭を打って洗面所へと向かう。
「なんじゃこりゃあああああああああああああああああ!!!!」
晴渡の顔には『雨咲雨のモノ♡ 誰にも渡しません』と赤のマーカーで書かれていた。いつの間にこんなことをしたのか。さっぱりだが。
「やっぱり……アレは夢じゃなくて、現実だったのか?」
まさかと思いつつも、晴渡は学校へと急いだ。
◇◆◇◆◇◆
早朝と呼ばれる時間帯に教室へと辿り着いたのだが、既に先客が居た。
雨咲雨。晴渡の元カノで、二人きりだけの世界を創り出した人物。
教室の隅っこで、腕を組む彼女は相変わらずムスッとした表情で、晴渡をジィッと見つめている。
少し目線が合うと、そっと逸らしてしまったが。
晴渡は彼女の元へと駆け寄って。
「約束覚えてるよな? 守ってもらうぞ」
「……わたし重たい女の子だよ?」
「あぁー知ってるよ」
「二人きりになりたくて、変な世界を作っちゃうタイプだよ?」
「あぁー分かってる。苦労させられたからな」
「重たくて醜い心で、嫉妬ばかりしちゃう女の子でもいいの?」
何度も確認を取る雨咲の肩を掴んで、晴渡晴は言った。
「雨がいいんだよ。雨しか居ないんだよ」
「ありがとう。わたしもだよ。晴くんが大好きだよ」
顔を真っ赤にした雨咲はそう言うと、晴渡をカーテンの裏へと連れて行った。そこで、雨咲はまぶたを閉じて口を突き出すのだが、晴渡は意味を理解できない。
「あの……? こ、これは?」
「……キスだよ……キス」
「ここは教室なんだが?」
「カーテンの裏だから大丈夫。それに寂しい思いさせないって言ったのに……やっぱり嘘つきさんだったのかな??」
「嘘じゃないよ……な、なら行くぞ……う、うん」
晴渡は覚悟を決めて、雨咲の口を奪おうとするのだが。
——チュ
先手を打たれてしまった。雨咲は我慢できなかったようだ。
「えへへへ……晴くんが悪いんだよ。今後も遅かったら、わたしから容赦無くしていくからッ! あ、もしかして今……やっぱり重たい女だなぁーとか思ったでしょ? でも、もう二度と別れないからねッ! えへへへ」
「俺だって……別れないよ。やっぱり好きだなと思ったし」
「……晴くん」
「どうした?」
「大好きだよ」
雨咲はそう言いつつ、晴渡の手をギュッと力強く握るのであった。
もう二度とこの幸せを失いたくないと思うほどに。
それに答えるように、晴渡も握り返すのであった。
(完結)
近況ノートにあとがき書いたよ。
脱出不可能な教室で、元カノと愚痴をこぼす 平日黒髪お姉さん @ruto7
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