第9話 連邦代表会議 R

超大型医療拠点艦ブランシェ 艦内


ブランシェで、アリシアとミーシアさんと共に


緊急連邦代表会議が開催される、ガルチノア向かう。


しかし・・・・


《マスター、精神疲弊レベルが限界値リミットです。

 もし何かされるのでしたら、私の装着を推奨しますが?》


「ごめんみんな、さすがに疲れた。ちょっと眠らせてもらうね」


「ええ、おやすみなさい。アースライさん」

「おやすみ、アースライ」






てのひらに感じる、つつましくも柔らかい感触で意識を覚醒させる。

「ルジェ、おはよう」

落ち着け、大丈夫、いつも僕を護ってくれるクリサリスだ、まったく問題無い。


チュッ    唇にしっとりと柔らかい感触が・・・・


「ル・・・ルジェ?」


ルジェは不思議そうな顔で

『ミーシアさんから、ここまではしても良いと許可がでました』


「ミーシアさん・・・・」


最近、ルジェと仲が良いと思ってたけど、何を教えてくれてるんですか?


『ところで、ミーシアさんに確認し忘れたのですが・・・・』


「なにかな?」


は入れた方が良かったのでしょうか?』


「絶対にやめて」


『承知しました、他のクリサリスとブランシェに情報共有します』






惑星ガルチノア 連邦代表会議 会議場


出頭要請に応えてきたんだけど、会場の様相が以前とは違っているうえに・・・


「なんで、ここに居るんですか? ギダノ重工のドーラス・カイネン会長?」


確か前会長が更迭されてから、ガルチノアの政府代表はギダノ重工から


選ばれたって・・・この間、聞きましたよね?


「先日、ギダノ重工が君との関係を回復したと発表した途端、

 代表を押し付けられたよ」


それは、何と言っていいか・・・・・それに


「それに・・・この会場に、こんなにモニターが付いてました? 

 マクギニア新議長」


「何を言ってるのかな? 

 せっかく君が持って来てくれた星系間通信だ、

 しっかり使わせてまらわないと。

 遠方の代表に来て貰う事無くリモートで会議に参加できる。

 まったく素晴らしい物を手に入れてくれたよ」


「それなら、リモート参加で良かったのでは?」


「いや、恒星フレアの影響で通信が繋がらない可能性もあったのでね」


 これは暗に、絶対に逃がさないと言われてますか?


 そして、ほぼすべてのモニターに人の顔が映し出された。


 その中には、ステラファスの王様も、イクラエ代表や

 マグカさんとギフカスさんの姿もあった。


『それじゃあ、アースライ君。説明してくれるかな?』






「え~、まず 赤い戦闘艦ですが 全長5000mあります。

 古代遺跡文明の艦船の最大サイズになります」


『全長5000m、連邦規格の大型艦船のおよそ5倍か?

 それでも艦船と言い張るのかな?』


「全長5000mが入る専用のドックもありましたので、艦船ですよ」


『武装は?』


DDディーディー砲という非常に使い勝手の悪い兵器が2門、

 それ以外は確認できていません」


『使い勝手が悪いとはどういう意味かな?』


「非常に強力なんですが・・・防御不能なので、

 味方でも攻撃に巻き込まれたら防げませんし、逃げられません」


『それよりも、あの巨大物体だ・・・あれはなんだね?』


「あれですか? あれは遺跡文明の中継ステーションなんですが、

 直系が50km程ありますので、確かに巨大ですね

 あれの説明をする前にいいですか?」


『何かな?』


「あの中継ステーション、お願いしたら来てくれましたが。

 そもそも、僕の持ち物じゃありません」


『まさか・・・どこかの星系が所有権を持ってるのかな?』


「いえ、古代遺跡文明の頃から稼働している自律稼働型のステーションです」


『自律稼働? しかも移動可能なんだね?』


「はい、ステーションの修復を手伝って

 今回はお願いして来て貰いましたが、

 アブリム星系に到着するまで3ヶ月かかりました」


『中継ステーションと・・・?』


「はい、中継ステーション内のドックを修理する代わりに使わせてもらったり。

 フードクリエイターの情報をコピーさせてもらったり、

 色々と博識ですし、こちらにも、お得な関係ですね」


あれ? なにかあきれられている気がするぞ・・・



マクギニア新議長が、話をまとめてくる


「そろそろ、いいかな? アースライ君。

 今回の件で学習した事があるんだ」


「なんでしょうか?」

妙に含みのある言い方だな・・・


「君は勝手に動いた方が


「それは、なんというか・・・・」


なんか・・・ぶっちゃけたなマクギニア新議長


「ところが、今回は、ステラファス王家所属が結果的にだが

 君の行動を阻害する事になり、君に茶番劇をさせる事になった」


「はあ」


「なので、いっそ君を連邦の所属にして、好き勝手やってもらおうと思う」


「僕が連邦の所属ですか?」


「ああ、連邦史上初、の誕生だ。

 まあ、多少文句は出るだろうが

 少なくとも所属を盾に内政干渉だとか、いわれる事は無くなる」


「良かった、これで他の種族の保護もしやすくなりますね」


「もちろんだが・・・・・まるで、もう見つけているような言い方だが?」


「・・・・・・・・・」


「この際だ、話してしまった方が後で楽だと思うぞ。

 連邦の騎士 アースライ・グランクラフト」


「実は一人、保護しています。ただ、まだ意識が戻らないので」


「ちなみに・・・どんな種族かな?」


「ライビ族という、兎に似た獣人族ですね」


「他に居ないだろうね?」


「いませんよ、さすがに、すぐに見つかる訳がない」


「3ヶ月後の次の定例連邦代表会議で正式に君の就任行事を行うから

 そのつもりでいてくれたまえ」


「謹んで受けさせて頂きます」






さて、連邦代表会議の出頭要請も無事完了した。

「それじゃあ、スライグレンダに戻り・・・」


ミーシアさんに腕を掴まれた?

「どうしました? ミーシアさん」


ミーシアさんがニッコリと笑う

「アースライさん、何か忘れてませんか?」


考えてみるが、特に思いつかない・・・・

「すみません、なんでしょうか?」


さんのをまだ選んで無いですよ」


アリシアが真っ赤な顔で首を振っているが・・・・


前と同じ店に入って、スイムウェアはサイファの分も含め、

2セットづつ購入する事になった。






そうして僕達は、ようやく第3衛星軌道付近にいる、スライグレンダに戻って来た。


スライグレンダの第1飲食フロアー

クリムティア子機、イシュメラーナ子機、シルキスタ子機が

僕達の帰りを待ってくれていた。


緑色の髪の10歳位の男の子と一緒に・・・


「ごめん、みんな・・・この子だれ?」

『初めまして、メルクのマスター。私はエーディク、ストレアという種族だ』


「マクギニア新議長には、すぐに見つかる訳がないって言ったのに、

 いきなり目の前にいるじゃないか・・・」


〖メルクのマスター、ちょうどココに破損したストレア用の偽体があったのでな

 メルクに修復してもらった〗


≪あの、青い宇宙船も修復すれば彼らが使えるのでな、協力してもらう事になった≫


「ちょっと待ってよメルク、ストレアって、前に僕に緑色のコアを見せて完全停止死亡状態だって言ってなかった?」


『緑色のコア? それなら私だな』


≪アースライ、すまない。私もそう思っていたんだが、気が付いたらスライグレンダが偽体に組み込んでいた≫


〖ストレアを含めて何種類か死の概念があやふやな奴らがいたからな。

こんな奴らは、エネルギーを注入すれば大抵再起動するもんだ〗


『そういう事のようだ、メルクのマスター、他の4人分のストレア用の偽体も作りたい、協力してくれ』


〖ストレアは作り出す種族だからな、面白い物が出来そうだ〗


≪ああ、スライグレンダの工房部分の修復を急ごう≫


『メルク、青い宇宙船カナンテッダの修復も進んでいるのだろう?』


≪転移装置やここにあった汎用恒星炉の修復は終わっているが、

 さすがに命の水アキュアムの生成装置は

 アクリメラの居住フロアに設置された分だけだ、予備は無いぞ≫


『ストレアがカナンテッダを使う分には必要無いが、それもいずれは欲しいな。

 ということは、次は恒星炉のチャージか?』


≪アースライ、恒星炉のチャージを頼めるか?≫


「わかった、ブランシェで行って来るよ」


≪もう調査の終わった使用可能な恒星は無かったはずだが、どこに行くんだ?≫


「スライグレンダが、ここに居るならアルファ1が使える。それで良いかな?」


≪そうだったな、アルファ1はスライグレンダがあったから使用を止めたんだった≫


〖アースライ、ちょっといいか?〗


「どうしたの、スライグレンダ?」


〖すぐ来てくれ、ノーチェが






※連邦代表会議 R・・・リモートです。

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