第2話 ヴォイド・デルタの謎

遺跡文明品、それもなどというを放置は出来ない。


アクール政府に許可を取り付け

その開発禁止区域、深淵の三角地帯ヴォイド・デルタの探索を始めた・・・が


「ルジェ、ほんとうにうみなかって行っても大丈夫なのかな?」


『マスター、私がサポートしますので大丈夫です』


「アリシア、ミーシアさん、君達はどうする?」


「私は行くけど、アースライ・・・顔色が良くないわよ、どうしたの?」


「僕は泳ぐという経験が無いから、若干の恐怖心が・・・ミーシアさんはどう?」

 悪いが、僕は大量の水なんて存在ものは畑の給水タンクでしか見た事が無かったんだ。


「もちろん行きます。灼熱の惑星出身ですよ、子供の頃から少しでも涼感すずしさ

得ようと年中泳いでました」


「それは頼もしい」


「ルジェ【そう】」

「サイファ【そう】」

「チェリム【そう】」


「ルジェ、ヴォイド・デルタに誘導をお願い」

『承知しました』






『目的海域の海中に突入します』


「これが、海の中か?」

真っ青な空間? 気泡が上に上がっていく


『マスター、この周囲の水、アクールの海洋水ではありません。

 塩分濃度はごく微量な上、高濃度酸素が含まれています』


「アースライさん、こんな異常な水なのに魚は生息しています。

 どれだけの範囲かわかりませんが、凄まじい技術ですね」


「メルクが言った通りなのか? 

 ソルコアイト文明の知識と技術を持った水棲の種族だとしたら?

 みんな、相手は友好的とは限らない。

 警戒は緩めないで」


「わかった」「了解です」


『マスター、何か接近してきます』


手に何か長いモノを構えて、こちらに突っ込んでくる。

かなりのスピードだ、濃い緑色の人型の何か・・・・


まあ・・・ルジェがかわしてくれるんだけど


『******* ***** ****』


「ルジェ、何か言ってるのかな?」


『元はアクリメラ種族の言語のようです。無理矢理翻訳すると

【赤い目玉の獲物、一番大きい、あたしの】でしょうか?』


「赤い目玉って僕の事? おい、アクリメラ種族!! 

 もしかして文明を維持出来てないじゃないか!!!」


『マスター、脅威度はコンマ以下ほとんどゼロです。どう対応しますか?』


「ルジェ・・・怪我をさせない様にしてもらえるかな?」


『承知しました』


(ルジェが)アクリメラ種族を水中で追いかけて、を掴む。

モリが動かない事に気が付いて、モリを放して逃げ出したのを

後ろから追いかけた。


(ルジェが)アクリメラ種族を追いかける、アクリメラ種族が恐怖に顔を歪めながら

逃げて行くのを、何かの映像を見ているような気分で眺めている。


オレンジのグラデーションの派手なヒレが付いた

濃い緑色の薄いウェットスーツを着たような外見だ。


へぇ~アクリメラ種族って、足は2本あって、それぞれにヒレが付いているんだな。


そういえば、こんなホラー映像を見た事があるかもしれない。

ヒロインが廃墟を逃げ回るシーンだ。


(ルジェが)とうとうアクリメラ種族を追い詰めた。

水中なので、よく解らないが、泣いているのだろうか?


両手を前に突き出した、掌の上に何かあるな・・・虹色の珠? 

アクセサリー? 鬼ごっこの景品かな? きれいだな。


僕は、それを、手に取って顔に近づけた。


『マスター、この子気絶しました。どうしましょうか?』


・・・・なんで?


「文明が維持出来ていないし、脅威度も低いから危険は無さそうだね。

 集落が有るなら送ってこようか?」


(ルジェが)アクリメラ種族を抱き上げる、女性のようだ。






アクリメラ種族が3人、向こうからやって来た。こちらを見て僕の手の中にある

虹色の珠を見てギョッとした顔をする。


『異邦人よ、すまないが、こちらに来てもらっていいだろうか?』

《マスター、翻訳しました》

「ルジェ、ありがとう。ついて行こうか」


アリシアとミーシアさんを連れて、より深い所に潜っていく。

《暗くなってきましたね、視界を調整します》


海の底の広場のようなところにきた。

周囲には、およそ数百に及ぶアクリメラ種族が居る。


僕が底に着くと、その数百のアクリメラ種族が一斉に膝を着いた。


『『『『『王に絶対の忠誠を誓います』』』』』



「ルジェ・・・・・翻訳ミスかな?」






【マセーナル】


私は今日の獲物を求めていた。


最近はロクな獲物が取れず、みんなの為に大物をと、かなり焦っていた。


見つけた、大きい、赤い目と青い目とピンクの目だ。

『赤い目玉ヤツが、一番大きい、私がもらう』


モリを構え突っ込むが、早い、避けられた。


大丈夫、相手が疲れるまで繰り返せば、最後はこっちのモノ


この命の水アキュアムの中では、こっちが強い。


何度か突っ込むが避けられる、コイツ中々手ごわい。


あっ、モリを掴まれた・・・動かない・・・全然弱って無いし・・・


もしかして・・・この赤目、私より強い???・・・逃げなきゃ


ダメ、逃げられない・・・・遊ばれている。


もう、逃げられない・・・・




追い詰められた私は、おうあかしを差し出した。


受け取れば、私の命はあんたのモノ。


嚙み砕けば、私の命の処断を意味する。


赤目は躊躇ためらいもせずに、あかしを口に持っていった・・・ダメだ・・・


私はおうすえなのに・・・・ごめんね、みんな






【アースライ】


「ルジェ・・・・・翻訳ミスかな?」


『数百人分の翻訳ミスですか? 確率として、あり得ません』


一人の年老いたアクリメラ種族が、改めて教えてくれた。


おうすえであるマセーナルが負けを認め、

 おうあかしを受け取った。あなたが王だ』


なあ、鬼ごっこに負けたくらいで、おうあかしを渡してはいけないと思うんだ。





モリで襲ってきた女の子(マセーナルというらしい)が

僕達を大きな獲物と思って襲い掛かって来たのを撃退。


女の子が渡してきた虹色の珠は、

負けを認めて相手に自分の処遇を決めさせる為のモノらしい・・・


受け取れば相手の配下に、噛み砕けば死を与えられる・・・・いや、知らないよ。


それで、虹の珠をよく見ようと顔を近づけた僕を、

珠を噛み砕こうとしたと勘違いして、その恐怖で気絶したらしい。


老人(メルカドさん)が全て話をしてくれた。


「えっと、王の証って他の人に渡したりとか?」


『1年間、王を務めるか、もしくは王が死ねば可能です』


「王様の仕事は?」


『主な仕事は民の食糧の確保に関してですな』


「食料の確保が難しくなってるの?」


『この三角地帯デルタの中で採っていたのですが、最近は特に少なくなってます。

 このままでは飢える者も出るでしょう』


「なあ、メルカドさん。食料って他から持って来ても良いのかな?」


『王よ、他とは?』


「このデルタに閉ざされた外からだけど?」


『我々は、体質的にデルタから外に出れないのですよ』


「外でも聞いたけど、向こうは近づけないらしいよ」


『デルタの防御機構が作動したのでしょうな』


「デルタの制御とか、できないの?」


『言い伝えで、触ってはならぬ・・・とだけです』


「アリシア、ミーシアさん、とりあえず食料を買いに行こう」


「そうですね」


「この海産資源の惑星では、それが一番手っ取り早いわね」





3人で買い付けた大量の海産物を持って、海中に突入する


大量の海産物を見たアクリメラ種族の歓声があがった。




海産物のお礼だといって、アクリメラ種族達が歌を披露してくれた。


心地よい音と振動が全身に響く、癒しの音ヒーリング・サウンドというのだろうか


これが海上だと、また違った味わいがある歌になるらしい。



「アリシア、ミーシアさん、どうしたら良いかな?」


「アースライさん、おそらくアクリメラ種族このの話が外部に漏れただけで

 大騒ぎになると思いますよ」


「バレたら、このデルタの上はマスコミの大渋滞になるわね」


「でも今の状態だと希少動物扱いされて、密猟者に狙われるんじゃないですか?」


「連邦は人間種以外と接触した事が無いから、

 当然だけど法整備自体がまったくされて無いの」


「もうアクール政府には、ここを調査している事は話してある。

 政府からも報告を求められるかな?」


「いっそ、アースライさんがアクリメラ種族を保護しているから

 手を出すなって言っちゃいますか?」


「ダメよ、一般人ならともかく。アースライはステラファスの騎士だから、

 ステラファスがアクールに内政干渉したと取られるわ」


「騎士の勝手な行動とは見てもらえない?」


「騎士は自由行動が認められてるんだけど、その責任をステラファス王家が持つ以上

 ステラファス王家が責められるのは避けられないかな」


「保護を宣言するのが一般人ならいいの? 

 一時的に騎士資格を返上ってできるのかな?」


「この場所をアクリメラ種族の保護区としてアクール政府に認めさせられれば

出来るかもしれませんね」


「アクール政府には、新たな観光スポットとして推薦、

 新しいブライダル観光の目玉にもなる?」


「そういえば、アースライさん。さっきの青い宇宙船、おそらくアクリメラ種族の宇宙船だと思うんですが、アレ、どうするんですか?」


「いざとなれば、アクリメラ種族の星間移動に使えるから、とりあえず

 タグチーム呼んで持って行ってもらおうか?」


「そうしましょう、騎士資格の一時返上についてはステラファス王家に相談ですね」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る