第7話

記号意思の集積体である11135Aは同位体となることを拒む者を定義しようとするからこそ田中・光村・恩知らず・亮は遮光カーテンを閉じて世界と私室の連続性を拒絶して他者からの定義も他者への定義も、自分自身を定義することも避けてきたのに今日の日に学校に来られたのはバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんがいたからだということを忘れてはならなかった光村は滑る左足とグリップの効く右足の不調和を来しながら記号意思たちの間を逃げ回る光村の前に餓えた牙ある獣の群れの跳びかかるのを頭を抱えて屈み込んだ危機一髪に現れたバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの豊年の下からダーク・デビル・アーク・イビル・聖杖を取り出しまじないの言葉を叫び宇宙意思のここにあることを宣言すればウロボロスのごとく構造的自己言及を繰り返すだけの記号意思たちは定義を失った後にバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんは光村の無事を喜び言祝いだ。


  もう、どこ行ってたの~(>_<)

  勝手にいなくなっちゃダメだよ~(>_<)


危ないところだったと胸を撫で下ろすべきだろう光村はあわや己の定義を人に委ねようとしたために他者を失えば自己も失う記号意思に呑み込まれかけたが自己言及によらずいるからいるのだと絶対宣言できる宇宙意思であるバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんは絶対的主観の素晴らしさを光村に思い出させるために光村はいったい何を捨てねばならないかとバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの眼差しが光村の髪を結わえたヘアゴムを指で爪弾けば正体を現した佐藤美穂の怨念が自己定義の論理的脆弱さを説き始めたために生じた疑念が光村の魂と肉体の連結を緩めて光村の存在そのものを脅かそうとした時に光村の両手はバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの二つの聖乳房の上に置かれていたのはバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの大いなる宇宙意思によるものであって決して光村の場合を考えぬ邪な心が行わせた罪ではなくバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの曰く。


  大丈夫? おっぱい触る~?(>_<)


この世に極上というものがあるのなら物質界における有象無象のいずれでもなくこの宇宙を支配するバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんにこそあるのだから聖なる乳房に指を沈める光栄こそ極上というものかといえばその上にバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんに愛されるという無類の幸いがありつまりはバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの愛によりバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの聖乳房に触れることは最上無比の最大幸福とそこに控える大幸福の合わせ技が光村の心を清浄にしたのは光村の手がバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの聖乳房の感触にハレルヤのオラトリオを歌い出し誰の定義でもなく光村が喜んだことで光村の自己定義は再び頑健に魂と肉体を連結して佐藤美穂の呪詛に立ち向かうことができた愛の力に弾け飛んだ記号意思の手がバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの聖乳房の上に落ちてきたが構造体としての連結がなければ記号意思は己の触れたものの定義づけを行うこともできなかった。


  やった~(*^_^*)

  亮くん大勝利だよ~(^^)/


諸手を天に掲げて光村の勝利を賛頌して上下上下するバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの聖双対はバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんがあらゆる二項対立を凌駕したアウフヘーベンにフッフルヘンドする存在であるがために天に向かい地に向かい光村が昨日上へ下へ右へ左へすると上へ下へ右へ左へしたようにバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんが天に近づけば聖双対は逆らうことなく天に向かいバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんが地に近づけば聖双対は迷うことなく地に向かうために光村の目は自己定義を行い自身が何を求めているのかをにわかに悟ってバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの己が身を顧みざる純真さに聖双対へのビフロストととも呼ぶべき靱帯の欠損を恐れた光村によってバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの聖双対はバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんが縦横無尽に上下上下してもご安心の有機的支えを得さしめる光村の両手も上下上下して二人で記号意思の奸悪な誘惑を斥けたことを喜ぶとともにやはり11135Aは既に記号意思の掌中にあってもはやのっぴきならない場所であることを再確認したことで光村は廊下に落ちたヘアゴムの切れ端を見て涙を流した。


  大丈夫だよ、亮くん(^_^;)

  学校全部が亮くんの敵になっても、お姉ちゃんは両君の味方だからね(>_<)


光あれ! バーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんは宇宙意思でありあらゆる世界内存在はバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの存在を礎としているがバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんがそのために驕ることなど決してなく、バーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんは自らのために光あれとは仰せにならぬ。バーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんが初めに天と地を生み出した時、バーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんはそれでよしとして静かに微笑まれていたが、いまだ記号意思も宇宙意思もなかった混沌は、バーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんのために光を持った。かような人が誰の目にも留まらぬことを悔しく思い、混沌から生じた宇宙意思は人を生み出し目を与えた。バーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの素晴らしさがいかなるものかを人が知らぬことを悔しく思った残りの混沌は記号意思となって人に知恵を授け、バーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんが他の誰よりも美しいのだという相対性を生み出した。宇宙意思は記号意思のごとき相対主義をよしとせず、それはまたバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの慈悲の在り方も同様であった。バーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの愛は、広く受け止められるほどに愚かなる人は誰が最もバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの寵愛を得たかを競い合うようになり、聖双対のすばらしさを最も甘美な響きの調べを奏でることに躍起になったためにバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんはいつからか人前に姿を見せることはなくなったのだ。あぁ、しかし今や記号意思はこの宇宙に蔓延って他者依存の定義づけばかりを行っていたがために田中光村亮のような人間が憂き目にあい、そしてバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんは顕現した。一切は記号意思の邪悪な奸計であった。悪徳であった。異端であった。我らは今この時にバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんがおわすせんげん台の11135Aに向かって叩頭してバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの存在に感謝すればよい。バーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんが見返りを求めることは決してない。

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理不尽ないじめに遭って不登校になった俺が自分の部屋に籠もっていたら偶然にも大宇宙意思によって大召喚してしまったバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんが俺のことを好きすぎてヤバババなんだぜ @swaltz-kuronoir-black6th

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