閃いたダイエットの奥義

 前置きが長くなりましたが、ようやく本題です。

 ある日、まだ幼い甥っ子の食事をみて閃きました。

 彼らは食べたいだけ食べ、満腹になると食べ物への興味を完全に失います。肥満になったりもしません。これは凄いことだと思いました。

 原則的に、人間は太らないように出来ているのだと思いました(もちろん病気や体質によってそうでないこともあります)。素直に身体に向き合い従っていれば、余計な栄養を摂ったりしないのです。

 つまり、自分は食の感覚が狂っている、というか多くの大人はみんな狂っている。ここを正せば自然と痩せる、というか標準的な体形が維持される筈です。

 この閃きが自分にとって大きかったのは、明確なゴールが見えたことです。食の感覚が正常になれば、もうダイエット自体する必要がないということです。持続可能な日常生活を得られるのです。


・だからといってどうすればいいのだろう

 食の感覚を正常化するといっても、どうすればよいのか全くわかりません。そんな方法は聞いたこともありません。

 家族に見られるのが嫌で、こっそり隠れて菓子パンを一気食いするような状況でした。なかなか末期感があります。


・古来から伝わる「腹八分目」という真理

 何も思いつかなかったので、伝統に従うことにしましたが、もちろん無理です。腹八分目など耐えられる筈もありません。

 そこで、目標を下方修正して「腹八分目を目指す」ことにしました。

「とにかくいつもよりちょっとでも少なけりゃいいんだよ」と、甘々ガバガバの目標を設定しました。この自分に甘すぎる設定は功を奏します。ちょっと食事を減らすぐらいなら、私にもなんとかなりました。


「目標数字など設定しない。満腹感だけで食事量を測る」

「食の物の種類は問わない」

「食べ過ぎても自分をせめない」

「ちょっとでも食べる量が少なければ大成功」

 ゆるゆるのダイエット生活です。もちろん、我慢した分あとで食べ過ぎたり、そもそも我慢できなかったり、一進一退ですこーーしずつ食事量を減らしていきました。


「食うから太るんだろ。痩せたきゃ食うなよ馬鹿なのwwww」などと思っている時期が自分にもありました。そんな簡単な問題じゃないんだよ馬鹿め…


・実感という希望

 グダグダとダイエット(?)を続けていたある日、体重にさしたる変化はないものの、胃袋が縮小している事に気づきました。わずかでも食べる量を減らしていたことによって、胃袋力が弱まっていたのです。

 ドーナツでいえば10個食べていたところが8個しか食べられなくなっていました。これはテンション爆上げです。

 胃袋が縮めば当然食事量は減る。更に縮めばもっと減る。そしていつか普通の食事量になる。勝ち筋が見えてきました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る