強迫症おたく日記

花村

第1話 自己紹介

まずはじめに私の病状について紹介しておかねばなるまい。

私は今現在、強迫症という精神疾患にかかっている。これは「極度のこだわり」が見られる病で、人によってその「こだわり」は色々である。玄関のカギをかけたか何度も確認したうえで心配になってしまう確認強迫だとか、自分が誰かに危害を加えたりするんじゃないかという加害恐怖だとか、あるいは何度も手を洗わなければ気が済まない洗浄強迫だとかがある。私の場合はこの洗浄強迫である。

 普通の人が一日に何度手を洗うのか知らないが、私のそれは常人の回数を超えているらしい。自分でも一日に何度手を洗っているかなど数えていないし、覚えてもいない。だがしかし、常人の域に回数が留まっているならば、これほど私の手が荒れてはいないはずだから、やはり常人の域ではないのだろう。

一日何回もの手洗いに耐えかねた私の手の甲は、いつだって怪我でもしたのかという赤いかさぶただらけだし、右手の甲側の中指の第一関節のところときたら、皮が剥げて治らないまま常にリンパ液を垂らしているものだから、ものに触る時はまず手を洗わなくてはいけない。外出時には絆創膏を貼って隠すと同時にリンパ液が流れるのを防がなくてはならない。本当に困ったものである。


おたくでもあるので好きなジャンルについてもしたためておきたいと思う。

ただそのまま名前を出すのははばかられるので、詳しい部分は濁しておこうと思う。それについてはご承知願う。

最近好きになったカップリングがあるのだが、Twitterで投稿されたものしか見ていなかった。Pixivへのリンクが含まれるものがあったため、そこからカップリングタグのページへ飛んだところ、総投稿数が2件しかなかった。カップリングのキャラのうち片方が登場したのがほんの一か月ほど前の出来事であり、仕方がないのかもしれないとは思ったが、そんなに少ないとは思わなかった。「私の推しカプのpixiv総件数が1桁しかなかった」とかいう過疎ジャンルの話をときたま目にすることがあるが、まさかそれが自分の身に起こるとは思っていなかった。しかもその1日後、再びそのカップリングタグのページを見に行くと、なんと総数1件に減っていたのだ。減ってしまったのだ。総数1件しかないカップリングタグ。真に自分は過疎ジャンルを好きになってしまったということを改めて突き付けられたような気持になった。

その後二、三日して、再びページを除けば総件数5件に増えていたため私は喜んだ。地道な増え方である。嗚呼、このカップリングの作品がさらに豊かになっていくことを願う。

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強迫症おたく日記 花村 @midoriga_oka

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