ルーサーは食べられたい

作者 愛宕平九郎

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★★★ Excellent!!!

 数多くの植物を品種改良し、強く育つ果樹や野菜、美しい花などを生み出すことに成功した偉人、ルーサー・バーバンク。
 植物の魔術師とも言われる偉大な男が転生したのは、なんと現代の日本。しかも、かつて彼が苦労して作り上げた「ウチワサボテン」として生まれ、ウチワサボテンとしての生を実体験できるという垂涎の状況にある……はずなのだが。
 どうやら彼は研究よりも、育て主である「マサミちゃん」に夢中らしい。隙あらば気孔から「マサミ成分」を吸入しては力を漲らせ、成長しようと頑張る。より肉厚に、より甘く。
 彼女の「ウチワサボテン食べてみたい♡」という望みを叶えるために。
 そしてマサミちゃんは日々ルーサーに優しく語りかけ、そっと愛撫しては霧を吹く。かつて、食用のサボテンを作るために彼自身がそうしていたように。

 美味しく食べたいマサミちゃんと、美味しく食べられたいルーサー。
 需要と供給の環が閉じ、循環する。究極の愛の行為。

 ルーサーが彼女を喜ばせようと頑張る様が愛おしい。ルーサーの写真を撮るマサミちゃんの「映え」のために意気込んで力んでみせるシーンなど、いじらしくて胸がキュンとなる。
 愛しのマサミちゃんに、文字通り身体ごと捧げる純愛(ちょいエロ目線込み)とその結末を、ぜひ見届けていただきたい。面白いです!

★★★ Excellent!!!

ルーサー・バーバンクさん。
知りませんでした、偉大な方だったのですね。
この人がいなかったら、
「ごいっしょにポテトはいかがですか…?」
と言われなかったのでしょうね。
面白いです。
ルーサーはとにかく食べられたいのです。
我が家のサボテンは玄関先にあるのですが…
何を考えているのでしょうね。

★★★ Excellent!!!

2021冬の大事件、マ〇クポテトSサイズ限定騒動で、その尊さを認識された(?)ルーサー・バーバンクがサボテンに転生!
それだけでも面白く、更に、女性読者は自宅における「安全」なサボテン置き場を吟味してしまいそうなのですが。

この転生、先があります。並の転生ではありません。
最後の最後まで味わわないと損。こじらせ女子と献身愛満開サボテンの素敵なやり取りの行き着く先を是非、ご覧ください。