第6話
朝、西暦人に挨拶をしようとして、息子はクリアケースの中にはそれがいないことに気づいた。
私は目線を息子に合わせるように膝を折り、そっとタオルの塊を渡す。
息子がそれを開くと、可愛がっていた西暦人の死骸が顔を覗かせた。
「かわいそうに、ね」
急に可愛がっていたペットが死んだことに、息子が受け入れられないだろうか、と予想していたが
その日の夜には、ケロリとして、新しいおもちゃに夢中になっていた。
私は、ペットだった死骸を、ゴミの日に出すための指定の袋に入れた。
座り込んでおもちゃをいじくり回す息子の後頭部を撫でる。後ろ姿が、旦那に似てきた気がした。
西暦人の自由研究 IMEI @IMEI
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます