第6話

 朝、西暦人に挨拶をしようとして、息子はクリアケースの中にはそれがいないことに気づいた。

 私は目線を息子に合わせるように膝を折り、そっとタオルの塊を渡す。

 息子がそれを開くと、可愛がっていた西暦人の死骸が顔を覗かせた。


「かわいそうに、ね」

 急に可愛がっていたペットが死んだことに、息子が受け入れられないだろうか、と予想していたが

 その日の夜には、ケロリとして、新しいおもちゃに夢中になっていた。

 私は、ペットだった死骸を、ゴミの日に出すための指定の袋に入れた。


 座り込んでおもちゃをいじくり回す息子の後頭部を撫でる。後ろ姿が、旦那に似てきた気がした。

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西暦人の自由研究 IMEI @IMEI

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