閑話 【黒き獣】の真実

皇帝執務室


ここでは報告書を手にしたサクミリモス皇帝と内務大臣が

険しい顔で向かい合っていた。


報告書を読む皇帝の口元が時々引きつる


報告書を読み終え、脱力する皇帝


「内務大臣よ、すまないが、この報告書によるとだな

【黒塚】の中で【黒き獣】が復活していて、

それにいち早く気が付いた青の賢者殿が警告を発するが

間に合わずに、全ての兵が動けなくなった中。

賢者殿が【黒き獣】の影響で瀕死になった姫の治療を行い、

一人黒き獣に立ち向かい黒き獣を怒りの衝動から解放したと書いてあるんだが?」


「はい、しかもその結果、賢者殿は重傷だそうです」


「なんという事だ」


「【黒塚】の中で賢者殿が【黄色き蜃】の力を借りて

【黒き獣】の記憶をご覧になられたらしく

凶刃に倒れた青い髪の青年ポルスと銀の髪の青年サイカ

それと【黒き獣】ノールが一緒にいた事がわかりました。

ポルスが亡くなった事で、正気を保てなくなった【黒き獣】ノールが

サイカに頼んで自らを封印した事を話しておられました。

なんといいますか・・・・・

初代皇帝のお名前と初代皇帝を庇って倒れた青の賢者様のお名前も

記録とほぼ同じでした」


「内務大臣・・・・その【黄色き蜃】とは?」

「王都の病の元凶だった、【癒された神】の事かと」


「なんという事だ」


「どうやら、初代皇帝のお話は、こちらが真実のようですな」 


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