閑話 メル

【メル】


 私はメル、ナック商会の主ホーバックの孫娘で11歳になる。


 せっかく断声病から回復したというのに、

 今度は王都の流行病にかかって別の町に移動していた。


 なんでも転地療法というらしい。

 熱も下がったので、やっと王都に帰ってこれた。


 今、うちの屋敷にはポジャカ君という男の子が滞在している。

 おじいさまに偶然、断声病の薬を渡してくれた少年で、

 流行病の原因究明に協力するために王都に来ているらしい。


 私より3歳も下の男の子だと聞いている。会うのが楽しみだ。


 「おじいさま、ただいま戻りました」


 ノックを忘れて、ドアを開けると中にはおじいさまとホルマと?


 青い髪が印象的なとてもキレイな男の子がいた。

 優し気な青い目が印象的で・・・・・


 「初めましてメルさんですね。

  しばらくお世話になっています、ポジャカと申します」


 とても丁寧いな所作の挨拶をしてくれた。


 「おお、メル帰って来たか」とおじいさまが声をかけてくれるが・・・


 おじいさま、年下の男の子とは聞いていましたが、

 こんなにキレイな子だとは聞いていませんよ。


 「はじめまして、メルです」

  ・・・・ああ、ドアを開ける所からやり直したい。


  ホルマにお茶を入れてもらって、ポジャカ君とお話をした。


  私の話をやさしい表情で聞いてくれる。


  私が話に詰まると上手に話をつないでくれる。


  でも明日には村に帰ってしまうらしい。


  ポジャカ君、また来てください。


  いえ、今度は私が行こうかな?




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る