忘れたい過去、消し去りたい記憶というものは、残念ながら多くの人間に存在します。でもそういう体験を他人に話すと、表面上は慰められるか、あるいはこう言われるかもしれません。「でも、その記憶もあなたの一部だよ」 ではもし記憶が消せたなら? それは『あなた』の一部が消えることになるのでしょうか? 未来の科学技術によって、人間の本質が浮き彫りになる、SFの王道をゆく短編です。