たまに

食感、色、味も違うのだ。そんな時は決まって現実で涙を流した日なのだ。


腹を抱えて涙が出るほど笑う。旨味が強くて黄色でサクサク。


悔しくて唇を噛んで涙が溢れる。菫色で酸っぱくてガムみたい。飲み込むのに時間がかかる。


言葉にならない苛立ちが涙になる。辛い。ねちゃねちゃしている。とにかく辛くて緋色でこんなもの食べられないと思ってしまう。


なのに身体が言うことを聞かず、夢の中でも泣く羽目になるのだ。喉が焼けるような刺激に耐えながら、一口では食べられないねちゃねちゃを泣きながら食べるのだ。


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心の味 白露 @Haku0907

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