閑話27:おとこを包む、ぬくもりの差
【!注意!】
性的な表現が含まれます。性的な表現が苦手な方は、次のリンクでお戻りください。
※読み飛ばしても、本編を楽しむのに支障はありません。
【第657話:あなどれぬ存在】
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【ムラタのむねあげっ! 目次】
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「だんなさま、だんなさま……っ!」
愛するひとに貫かれる悦びを、リトリィは全身を震わせて味わっていた。
夕食後、しばらくしてからどことなくけだるい感じが続いていた彼女にとって、胎内を押し開く今日のムラタのモノは、いつもと違っていた。
「だんなさま……!
「リトリィ……!」
彼女の言葉にムラタは一層の愛おしさを覚えて、彼女を抱きかかえる腕に力を込めて、彼女をさらに揺さぶる。
リトリィにとって慣れ親しんでいるはずのムラタの男根が、今夜は数段、熱く感じられるのだ。これは、彼女にとって新鮮な感覚だった。
よく、ムラタはリトリィの
こんなに胎内で熱く掻き回すものだと感じたことなど、今までなかったのだ。
「こんなの、初めて……っ!」
リトリィは夢中でムラタにしがみついた。彼のものがいつもより熱い──それだけで、胎内を突き上げられる悦びが、いつにも増して強く感じられる。
忍び
湧き出てくる蜜が飛び散るほどに潤う彼女の蜜壺は、彼のものを深く迎え入れるたびに水音をまき散らす。
「あなたっ……! きて、いらして……! もう、わたし……っ!」
達しそうになる彼女が息を切らせて求めると、ムラタも彼女を抱きしめる腕に力を込めた。
「リトリィ、愛してる……愛してるっ!」
その言葉と共に、リトリィの胎内を掻き回すそれが、大きく脈動した瞬間だった。ほとばしる子種の勢いを感じて、リトリィは持てる力の全てを使ってムラタにしがみついた。
「神さま……キーファウンタさまっ! どうか……どうか、だんなさまそっくりの仔を、おさずけ、ください……っ!」
リトリィは腰をムラタに密着させると、胎内に吐精される悦びに身を震わせ、体を弓なりに反らせながら、ムラタを全力で抱きしめる。
のけぞりつつ彼の頭にしがみつくようにしたリトリィの柔らかく豊満な胸は、ちょうどムラタの口や鼻をふさぐようにして密着!
──息ができない! というムラタの内心の焦燥は誇張でもなんでもなく、リトリィが絶頂に身を震わせて余韻に浸っている間に、文字通り、本当に窒息するところだった。
「……本当に、早くリトリィに子を産ませないと、俺の命がいくつあっても足りないな」
笑いながら言うムラタに、フェルミが真面目な顔で首を横に振った。
「馬鹿言ってんじゃないスよ」
いつもなら冗談めかしてまぜっかえすフェルミのその姿に、ムラタは愚かなことを口走ってしまったと反省する。
「……悪かった、冗談でも口にしていい言葉じゃないな」
「ええ、そうっス」
フェルミはそう言って、しかし生まれて間もない我が娘のほうに目を向けながら、ニタリと笑う。
「オスの仕事は、メスと仔に餌を運ぶことっスよ? この仔が自分で食えるようになるまで、キリキリ働いてもらうっスからね?」
「……あ、そっち?」
肩を落とすムラタに、フェルミは笑う。
「そっちって、なんスか。孕ませた責任、産ませた責任はしっかりとってもらうっスからね」
フェルミの笑みが、ニヤリとしたものに変わる。
「そうスね……とりあえず、ほんの八十年ほど」
「ほんの八十年って……おい、俺、百歳超えてるじゃないか!」
「そうっスよ? ご主人は揃いも揃って寂しがり屋の女ばかりを捕まえたんスから。当然、その寂しがり屋がいなくなるまで面倒を見てくれなきゃ」
そう言って、フェルミは艶然と微笑んでみせる。
フェルミの笑顔は実に多彩だ。挑発的な笑みから一瞬で艶っぽく。ムラタは彼女の笑みひとつに翻弄されている自分を思い知る。
ムラタは頭を抱えると、「ああもう、コイツには何年経てば口で勝てるんだ?」とうめいた。そんな彼に、フェルミはしなだれかかるようにしてささやきかける。
「別に、勝とうなんて思ってないスよ? ただ──」
「……ただ?」
「ただ、可愛いひとだなって思ってるだけスから」
いたずらっぽく微笑みながらのその一言で、ムラタの理性ははじけ飛んだ。
ムラタはそのままフェルミを押し倒すと、彼女の秘裂に指を伸ばす。
何日ぶりかの彼女のそこは、触れずともすでに熱く潤っていた。リトリィと愛し合っている間に、己を高ぶらせていたのだろうか──ムラタは彼女を抱きしめる。
「ふふ……ご主人、私の中に入りたいんスか?」
「……入りたい。いや、入れる」
そう言って一気に刺し貫いてきた愛おしいひとのものを感じ、フェルミは歓喜の悲鳴を上げる。
「……ご主人、いやに激しい……スね?」
「お前が可愛すぎるからだろう」
「……可愛いは、マイセルに言ってあげてくださいよ、ご主人……」
「お前も可愛い女だよ、まったく」
「そんなわけ……あうっ!」
ムラタはフェルミの体をしっかりと抱きしめ、一気に深く刺し貫いた。腰を密着させたまま、胎内を掻き回すように押し付ける。フェルミは感極まったような悲鳴を上げながら、ムラタの腰に脚を絡める。
「だ、だめ……。ご主人、そん、な、急に……ぐりぐりしちゃ、いや……あっ!」
「ほらみろ。可愛い声で鳴く」
「だめ、ごしゅじん、さま、あっ……!」
いつもニヤニヤしながらムラタをおちょくるフェルミが、わずかの余裕もなく淫らに悶え腰をくねらせ始める。そのギャップが、ムラタにはたまらなかった。
「ムラタさん、今日はどうしたんですか?」
「どうしたって?」
「だって……お姉さまと私を抱かせて、交互に抜き差ししてたでしょう? あれはなんだったんですか?」
ムラタの右半身に体を絡みつかせてくるマイセルにくりくりした目で尋ねられて、ムラタは答えに詰まる。
「ふふ、わたしたちのだんなさまがお試しになることですから。なにか意味があったんですよ、きっと」
同じくムラタの左半身に体を絡みつかせ、しっぽでくすぐるようにしてくるリトリィに、二人の胎内の具合を比べていた、なんて正直に言えないムラタは、しどろもどろになりながら、なんとか答えを絞り出す。
「ええと……。いつも、誰かひとりを愛している間、二人は待ちぼうけだろう? だから、その、一度に二人を抱いてみたらどうかなー、なんて……」
「だんなさま? ……ふふっ」
リトリィが顔を持ち上げ、ムラタの顔をのぞき込むようにすると、そっと微笑んだ。こちらの下手な言い訳があっさり見破られたと、ムラタは観念する。
「……いや、ちょっとだけ、気になることがあってさ。確信が持てたら言うよ」
リトリィを抱き、次いでフェルミを抱き、さらにリトリィとマイセルを同時に抱き……ムラタは、リトリィだけに訪れている変化に気づいていた。
彼女だけ、体温が下がっている。いつもの、ムラタのものを蕩かす熱さが無いのだ。これが何を意味するか。ムラタは乏しい情報の中から、必死に考えを巡らせる。
もしかしたら──ムラタは、愛するひとのための一筋の光明を見出した気がした。
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