元総理を撃ったのは僕達です 

興梠司

第1話 速報

【速報】安倍川元総理大臣がなにものかによって銃撃された


スマホの速報やテレビの速報で世間は激震したが京都の潰れたライブハウスいた三人はガッツポーズを決め抱き合った。作戦は成功したのだ。共軍党の作戦は見事に成功し、左翼の中では名前が知れ渡ることになる。


3ヶ月前左翼のボスと言われる蛯川がライブハウスに訪れた、蛯川は車椅子でまず自分から動くことはない、なにかあれば呼びつけるのが蛯川のやり方だが、今回は違った。護衛もつけずに一人でライブハウスにやってきたのだ。


四人は緊張した、蛯川の存在は知っていたがこんな小さば組織と関わることはないだろうと思っていたからだ。

「安倍川を殺ってくれないか」というのが蛯川の第一声だった、「安倍川は三ヶ月後奈良の応援演説に来る、その時に殺ってくれ」とだけ言い残して去っていった。


四人は緊張したが興奮のほうが勝っていた、あの蛯川がここに訪れて司令を出すこと自体珍しいことなのだ。メンバーの山下は自作で散弾銃を作り始めた。

元自衛隊ということもあり拳銃の作り方もなれているという、問題は誰が安倍川を撃つのかということだったがそれも山下が「俺が行く」と言った。山下いわく自分で作った銃は自分で試したいと笑顔で話していた。


山下は襲撃の二ヶ月前から山にこもり始めた、試作の銃の試し打ちの為に山にこり何度も何度も試作を試した。山下が自衛隊に入ったのも愛国心などではない、中卒で仕事がなかったからしょうがなく自衛隊にはいったのだ、二年も立たずに山下は自衛隊を辞め歌舞伎町に流れ込んだ、歌舞伎町で喧嘩ばかりをしている毎日を送っていた、そんなときに佐川という爺さんに声をかけられた「こんなところで喧嘩ばかりしてるんじゃなくて国のためにいきてみないか」と、山下は一回断った。

佐川が言ってることも意味がわからなかったので断りをいれたが3日後、佐川がやってきた「私と京都にいかないか?」と言われ半分無理やり連れてこられたのが廃れたライブハウスの地下だった。地下には三人の若者がいて「共軍党」という旗がかざってあった。山下はすぐに左翼だと気づいたが、ここが山下の居場所なのかもしれないと思う今日共軍党に入ることにした。


入ったと言ってもやることは街宣車でまわることしかない、何に反対してるのかもイマイチわからなかったが毎日街宣車を走らせた。そんなときに蛯川の依頼がきた、そんな依頼を断ることはなかった。街宣車よりも目立つことをやりたかった。

山下は蛯川の依頼が嬉しくてたまらなかった。山に入り散弾銃を撃ちまくってる時が一番興奮した。蛯川はこんなことも言っていた。「安倍川が死ねばこの世は平和になり街宣車など走らせなくてもよくなる」と言っていたが山下はそんなことどうでも良かった。自分で作った拳銃で人を殺せることが快感でしかなかった。


事件当日、山下は安倍川の背後をとった、SPたちには気づかれないように一眼レフ風の散弾銃にした。これであれば誰も気づくことはない。

安倍川の背後をとり山下の方を向いた時拳銃の火花がふいた。


銃弾は見事に安倍川に辺り倒れた、SP達の取り押さえられたが山下の感情はヒートアップし、SPにも散弾銃をむけた。山下の心なかでは「俺は無敵だ」と思っているようだった。散弾銃を向けられたSP達は動けない、山下は逃げるチャンスを伺っていた、SPとSPの間に隙ができていたのでそこに拳銃を打ち込むとSPは少し離れていった、そこを猛ダッシュで駆け抜け、金で雇ったホームレスが運転する車に乗り込んだ。山下が捕まることはなかった。警察の大きな失態となった。


山下はライブハウスに戻りみんなでハイタッチをしてシャワーを浴びた

シャワーから出ると蛯川が来ていた。「よくやった」と握手を求められた。

「これは安倍川の依頼金じゃ」といってキャッシュケースをテーブルに置いた。


「次の依頼は現都知事をやってほしい」

「まだ期間はあるから心配するな」

「どうしても死ななきゃいけない事情ができたんだ。やってくれるな、共軍党」

「はいっ」」と勢いよく四人は返事をした・


「それからこの三人を仲間に加えてくれないか?佐川が拾ってきた三人だ、信用は出来るだろう」


蛯川は三人をおいて「都知事選のころにまた顔出すわ」といってライブハウスを出ていった。

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元総理を撃ったのは僕達です  興梠司 @asahina0606

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