第4話

いつもの制服に袖を通し、いつもとかわらない時間に靴を履き、元気な声で挨拶をする。

「行ってきまーす!」

下り坂を一気に駆けてく。走る先は秋と海斗のいる場所。たどり着いた先で、私は赤い顔をして、秋に言った。

「昨日のことはなんでもないからっ、気にしないで!忘れていいから!」

それだけ言って、早々に学校に向かって走り始めた。

私のクラスにはもうすでに人がいて、秋と2人きりになる事はなく、少し安堵する。

「知佳さーん。」

自分の名前を呼ばれて後ろをむくと、担任がいた。

「ちょっとお話できますかぁ?」

「石城さん…」

担任と同時に秋が入り、秋が私に対して何か言いたげな顔をしていたが、担任がいたてまえいつもみんなに見せる人が良さそうな笑顔で、どうぞとヂェスチャーで譲る。その後、別室で担任と話して、朝は事なきを得た。

1時間目の授業である体育がおわり、教室に戻ると、私の机に見覚えのないものが置いてあった。

「なんだろ…これ。」

手に持ったのは1枚の紙切れ。白紙の方を裏返すと、見覚えのあるきれいな字で『今日の放課後17:00にここに来てください。』と書かれていた。一瞬、思考が停止してフリーズしていた。目の前の手紙の字はどう見ても秋のもの。別の人の机と間違えた?一人で悩んでいると秋が後ろ顔を出す。

「それ、石城さんにだから。」

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さよならもいえずに 後悔 @igahyu

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