タイトルからは想像できないほどロマンチックな物語

【読む前印象など】
 感想欄にも記載させていただきましたが、タグの”悪魔に売ったもの”とあらすじの”鈍い主人公”というキーワードがとても気になりました。
 そしてタイトルから、重い話なのだろうか? という印象を受けました。

 短編は色々と読んだことがありますが、この作品で凄いなと思うのは、たった2000字の世界の中でスッと主人公の気持ちに寄り添えること。
 感情移入出来るからこそロマンチックだなと思える物語。

【物語や登場人物について】
 鈍いということが活かされた物語だと思う。鈍いからこそ成り立ち、相手の人物の性格も伝わってくる。
 タイトルからは到底想像のつかない物語でもあると思う。
 相手が悪魔なので、対価と言えばあれだろうと思ってしまう。確かに関係はしているとは思うが、ここからが意外な展開である。
 ただ、主人公が鈍いだけで大切にされていることも伝わってくるし、相手の気持ちも伝わってくる物語である。

【物語の見どころ】
 どんな物語なのか想像してから読むと、より一層楽しめる作品だと思う。
 そして、意外性のある物語であり、恋愛ものが好きな人にはぜひお奨めしたい作品。余韻も素晴らしく、その先を想像するのも凄く楽しいと思う。
 対価を必要とする悪魔とはあなたにとってどんなイメージを沸かせる存在だろうか?
 そして家族を想う彼女にどんな想いを抱くだろうか?
 果たしてこの物語の結末とは?
 あなたも読まれてみてくださいね。
 読んで良かったと思える秀逸な作品だと思いました。
 お奨めです。