大文字伝子が行く34
クライングフリーマン
大文字伝子が行く34
伝子のマンション。PCの画面に先日の伝子達の闘いの記録映画が流れている。10分くらいの映像が終わり。斉藤理事官が画面に現れた。
「おはよう、諸君。今見て貰ったのは、君たちへのサービスカット版だ。一般向けは別編集だ。」「別編集って外部に見せるんですか?」と依田が尋ねた。「万一マスコミが騒いだ場合の『映画撮影』というアリバイだよ、依田君。」
「よく撮れているでしょう?無人撮影なのに。」と草薙が言った。
「EITOベースは拠点を移して行く。輪番だな。だから、古いEITOベースにも、ある程度の装備は残して行く。奴らが、あそここそがEITOベースだと思ってくれたのは幸いだ。さて、今回の事件だが、二佐はある任務に就いていた。それは、空自のスパイを探る任務だった。二佐は、同期である石井一曹に接近し、協力を求めた。だが、石井こそがクーデターを企む一派のリーダーだった。ホテルのバーで落ち合い、危険を感じた二佐は、化粧室でピアスの一方を外した。暗号入りの紙片を仕込んでな。届けさせた荷物の変な紙片はその片方だった。」
「マスキングテープって誰か使ったことありますか?」草薙が横から言った。
「私、あります。コピーする時なんかに、一部を伏せる場合、このテープをその伏せる部分に覆っておくと、一部が抜けたコピーが出来る。」と栞が言った。
「その通り。二佐が使っていたのは、それを応用したメモです。彼女の痣を覚えさせる為にピアスを外し、化粧室に置いて来たんです。ホテルが後で届けてくれました。カップルの女性の方がピアスを発見したのだけれど、持ち帰ってしまい、Linen情報で二佐を探しているらしいことを知って、ホテルに届けてくれたんです。」
「やはり、大文字コネクションのお陰だな。」と理事官は言った。
「さて、ホテルを出た後、仲間の谷津一等陸曹と谷津一等空曹が待っていて、3人で拉致監禁。3週間もの間、脅したりすかしたり、暴力の挙げ句、レイプまでした。」
「二佐は拉致される時、抵抗しなかったんですか?」と高遠が尋ねた。
「油断した、と言っていたよ。既に筋肉弛緩剤を飲まされていて、思うように力が出なかったと。」と理事官は応えた。
「酷い。それで、何故解放されたんですか?」「聞き出せなかったから。大阪まで行ったのは、朦朧とした中で、バッグに昔メモをしたものを見て移動してしまったのだという話だ。大文字君の身内に発見されたのはラッキーだった。因みに陸自バッジは拉致した兄の方が樹海に捨てに行っている。捜査を攪乱させる為に。」
「そのマスキングテープのメモに書かれていたのは?」と福本が質問すると、「3人の名前だよ。クーデターの首謀者だ。」と理事官は応えた。
「で、4人目が筒井さんですね?」と高遠が言うと、理事官は驚いた。
「一つは、誰も葬儀に賛成しなかった。詰まり、もう一人の潜入捜査官から死亡の連絡がなかったから。もう一つは、レンタルヤクザ。あの3人の猿知恵で『臨時の兵隊』は思いつかないでしょう。志は高くても、一曹じゃ資金力もないだろうし。結局、自衛隊員で逮捕されたのは首謀者3人を含めて10人しかいなかった。」と高遠は語った。
「それで、二佐から聞きだそうとしていたのは?」と南原が尋ねると、「暗証番号だよ。」と草薙が応えた。「アンバサダー。2回EITOに入館していますが、誰か暗証番号で開けてくれましたか?」「いや。私は中から開けて貰ったと思っていたが・・・。」
「実は『生体認証』なんですよ、登録されている人のIDで生体認証チェックをするんです。」
草薙と南原の会話に物部が割り込んだ。「ちょっと待ってくれ。じゃ、二佐は『知らない番号』の為に拷問にあって、レイプされたということか?」
「その通りだ、物部君。だからこそ、葉子ちゃん、いや、池上先生が乗り込んだ。因みに、先生と私は幼なじみでね。陸自の病院は万全ではないので、民間協力を、そのよしみでお願いしている。先生の見立てでは、体の傷の治療やリハビリは最低半年だそうだ。後の心のリハビリは・・・。」
理事官が言い終わる前に、「私が、私たちが治します。」と伝子は言った。
伝子のスマホが震えた。「総子ちゃん、やるなあ。今度はメールか。叔母さん、明後日上京するってさ。学。」と伝子はわざと明るく言った。「了解しました、伝子さん。」
「俺たちは引き上げるか。しっかりな。高遠。」「分かってますよ、副部長。これでも夫ですから。」物部は高遠の肩をポンポンと叩いて、他のメンバーと出て行った。
15分後。皆は帰り、PCも消えた。
「学。藤井さんに頼んでくれ、ピザ。」「分かりました。」
高遠が戻ると伝子はいなかった。藤井が言った。「帰って来るわよ。信じてあげなさい。二人で食べましょ。」
茅ヶ崎。サーフィンを楽しむ人々。バイクを降りて、2時間、伝子はじっと眺めていた。カップルに声をかけられた。「サーフィン、やらないんですか?」「ああ。怪我をしていてね。怪我が治るのが待ち遠しくて、見にきてしまった。
「怪我が治って、もし再会したら、一緒にサーフィンやりましょうよ。」「ああ。是非。」
伝子は思いついて、箱根までバイクを疾走した。伝子と高遠、そして、福本と祥子が結婚式をあげた、『やすらぎほのかホテル』の系列の『やすらぎほのかホテル箱根』に来ていた。
「気まぐれですみません。宿泊じゃないんです。喫茶室で休憩させてください。」と伝子は社長に挨拶した。「そう言えば、新婚旅行、取り止めになったままでしたね。このホテルから温泉巡りをする筈だったのに。まあ、ごゆっくり。」
社長が言った途端に、大きな揺れがあった。「地震ですね。ちょっとお待ちください。」
5分後、社長は泡を食って帰ってきた。「東京で地震です。震源地は東京湾。千葉県寄りです。依田君によると、倒壊被害があるようです。」「急いで帰ります。」「送りましょうか?」「いや、バイクですので。」
帰り道。1時間も経たない間に崖崩れの事故現場で、前に進めなくなった。迂回路も渋滞のようだった。伝子は急いでターンし、また箱根市内に入り、ホテルに戻った。
「社長。ヘリポートがありましたよね、確か、ここにも。」「ええ。」「お借りします。出口までお願いします。」と言いながら、伝子はDDバッジを押した。
階段を走りながら伝子は思った。公私混同と言われるかも知れないが、仕方がない。社長は慶子を通じて、ある程度のことは承知している。屋上に出ると、すぐにEITOのオスプレイが降りて来た。「大文字さん、バイクの鍵を。」伝子は社長に鍵を渡した。
オスプレイに乗り込む間際、社長は怒鳴った。「バイクは届けさせます。落ち着いたら、また来て下さい。」
1時間後。伝子のマンション近くでオスプレイは伝子を下ろし、去って行った。
ドアを開けようとしたが、壊れているようだった。藤井が出てきた。
「ドアが壊れたみたいだから、マスターに連絡したの。で、いつもの婦警さんが、例の秘密部屋の鍵を開けてそこから入ったの。そしたら、高遠さんが、食器棚の下敷きになっていて、救急車を呼んで、本庄病院に入院したらしいわ。」と藤井が説明した。
「待っていたわ、おねえさま。箱根でオスプレイが拾ったって連絡があったから、私は残ったの。私の車で急ぎましょう。」
「うちは幸い大丈夫だったわ。すぐに行ってあげて頂戴。」と藤井は言った。
本庄病院。高遠の病室。伝子がやって来る。看護師が顔を上げ、驚いた。「あなた、あの時の。」「ここの看護師だったのか。」「いいえ。私は池上病院の看護師長真中瞳。応援よ。一緒にいたのは、婚約者の三宅五郎。あなた、この患者の妻だったの?よろしくね。明後日退院よ。足首捻っただけだから。自宅療養して頂戴。あ、家は倒壊した?」
「いいえ。良かったね。学。」「うん。でも、台所が穴開いて、食器棚が倒れてガラスだらけで、『奥の部屋』もヒビが入って。」真中看護師長は出て行った。
「EITOがなんとか修理するって、さっき久保田管理官が言ってきた。今や、EITOの出張所だからね。どこ行ってたの?伝子さん。」「寂しかった?」「寂しかった。」
「茅ヶ崎行って・・・あ、さっきの看護師長さんにサーフィンやろうって誘われたけど、水着もボードも持って無いし。ただ海を見たかっただけかもね。それで、箱根行ってきた。」「箱根?」「学と一緒に新婚旅行行く筈だっただろ。で、地震で、慌てて戻って来た。バイク置いて、EITOのオスプレイで。」
「DDバッジ叩いたの?」「叩いた。」「僕は下敷きになったから、叩けなかった。すぐそばだったのに。」「藤井さんのお陰ね。」
「ラブシーン、もうカットしていい?」と、入って来た久保田管理官が言った。
「あ、明後日退院だそうです。」「家の補修はEITOがやってくれるよ。」「今聞きましたが、それって・・・。」「えこひいきじゃない。大事なすステムを守らない訳にはいかないからね。その代わり・・・。」「任務ですか?」「ご名答。」
伝子はため息をついた。「簡単に言うと、災害時に現れる『ごきぶり退治』だ。」
まるまげ署。会議室。「という訳で、倒壊した家やコンビニに入る空き巣集団の殲滅作戦を実行する。本部長は私だ。」と署長が言った。
「署長。私は?」とみちるが手を挙げた。「お前は聞き込み係。ミニパト使っていいぞ。なんだ、不服か?不服なら産休取ってろ。」
くすくす、という笑い声が起った。
「拗ねるなよ、みちる。妊婦を気遣ってくれているんだよ。」と伝子がなだめた。「だって・・・。」
「お前、この間の時、最後のアクションだから思い切ってやっていい、って言ったら、ノリノリだったじゃないか。愛宕ははらはらしていたんだぞ。なあ。」
「先輩の言う通り。最後はもう最後。」という愛宕に「で、ゴキブリおびきよせる餌は巻いたのか?」と伝子は尋ねた。
「倒壊家屋の戸数を水増ししました。あ、これ、地図。」と伝子に倒壊した家の地図を渡した。「赤いのが、本当に倒壊した家。青いのが倒壊したと思わせる家。倒壊した家は、陸自の協力で既に住民と貴重品を持ち出してあります。」
青山警部補がやって来た。「あ、大文字さん、聞いてくれました?」
伝子は、手近の掲示板に地図を貼った。「青いのは必要かな?」「単にテープを張り巡らした空き家です。」「地震で壊れたみたいではなくとも、お宝が眠る空き家と思って侵入するかも、か。」「地区を虱潰しに探して回るでしょう。青い点の家は私服警官を巡回させます。」
「赤い点の家、20軒は?」「ダミーのお宝。詰まり、金庫や宝石箱等、財布も配置し、それぞれ発信器を仕込んであります。」「詰まり、泳がすわけですね。」
「で、持ち帰った巣を叩く。」「ゴキブリ退治と聞いたけど、蟻の巣退治ですね。」
「うまいことをおっしゃる。」
「先輩。動きがあるまで署で待機して下さい。」と愛宕が言った。
南原のアパート。「この棚だけで済んで良かった。かあさん、お鍋吹いてるよ。」「大文字さんとこは被害大きいんでしょ。お前は行かなくていいの?」「うん。依田の話だと、すぐに左官屋さん達が、穴が開いた台所の修理に向かったらしいから。」「もう?」「先輩は顔が広いから。」と棚の修理を終えた南原は母に説明した。
福本の家。散乱した2階の部屋を片付け終えた福本は、階下に降りた。
「あなた。サチコの小屋、先にして。ガラス戸のガラスは片付け終わったわ。」と祥子は言った。「オッケー!サチコ、待ってろよ。」福本は、軒下から木材を取り出し、鋸を引き始めた。
依田のアパート。「蘭ちゃん。今日、仕事は?」「休んでいいって。どうせ今日はお客が来ないだろうしって。」蘭のタンスの補強を終えた依田は自分の部屋に帰って来た。
「先輩のマンションはEITOから自衛隊員が修理に行ったし、先輩はまず自分たちの身の回りのことをしろ、って言うだろうし。俺、取りあえず会社行くわ。未配達あるかも知れないし。」「うん。行ってらっしゃい。キスは帰るまでお預けよ。」と慶子は依田を見送った。
「おんぼろアパートだから、すぐに全壊かと思ったけど、ここは震源地から遠かったのね。」と大家の森が言った。
モール。物部の喫茶店アテロゴ。辰巳と栞と物部が散乱したガラス類を片付けている。
「よし。休憩するか。」3人は角のテーブル前に腰掛けた。
「マスター。面接の時、聞きそびれたんですけど、この店名、どういう意味ですか?」
「ああ、高遠が昔、同学年のポルトガル語科の学生に教えて貰ったポルトガル語だ。意味は『じゃあ、また』。ポルトガル語の『さよなら』は幾つも種類があって、一番深いのが永遠の別れの『アデウス』、軽いのが『アテロゴ』。詳しくは知らないが、高遠に言われて改名した。」
「『白百合』よりいいでしょ?」と栞が笑った。
山城の祖母の介護施設。「被害がなくて良かったね、叔父さん、おばあちゃん。」
「順。おばあちゃんは、少しの間だが、立てるようになったぞ。」「え?凄いね。」
「皆に助けて貰ったお陰だ。愛宕君は、今日も忙しいのか?」「今日は特に、だよ。倒壊した家に空き巣が入ることが多いんだって。」「ひどいな。人の不幸につけこむなんて。」
服部のアパート。「今日はライブ出来ないな。」と呟き、服部は布団に潜りこんだ。
久保田邸。「あれ?あっちゃん、今日は?」「今日は待機。」「橘二佐は?」「相変わらず、塞ぎ込んでるわ、いつお見舞いに行っても。」「まあ、無理もないか。」
「まこっちゃんは?」「何?」「まこっちゃんと結ばれる前にレイプ経験あったら、結婚しなかったの?」「そんなことはない。あっちゃんは僕の性格認めてから結婚したんじゃなかったの?」「今日、仕事は?」「待機。」「じゃ、二人目作ろう、誠。」「一人目まだ出てないじゃないか。」「いいから、ね。」
二人は手を繋いで、朝食を食べ終えたまま、寝室へと向かった。
伝子のマンション。藤井の部屋。綾子が藤井と焼きそばを食べている。「悪いわね。」「今日、生徒さんが作った料理。基本は持って帰らせるんだけど、『家は家で』って言う人もいるのよ。」「おいしいわよ。」「あの工事している人達ね、本職さんじゃないのよ、自衛隊の人達なの。」「ふうん、伝子はやはり特別なのね。」「工事終わったら、後で、タクシーで高遠さんのお見舞い行きましょう。」「ええ。」
まるまげ署。会議室。「動き出したな。方向が決まったら、移動してくれ、大文字君。」と署長が言った。
みちるから、警察無線が入った。「地震大丈夫でしたか?と尋ねる五人組の男が現れました。ボランティアと名乗っています。」「白藤。念のため、人相風体を聞き出して来い。」と、署長は命令した。
30分後。「どうやら、この方角のようですね、大文字さん、行きましょう。署長。後方支援をお願いします。」「心得ている。」
それから30分後。午後4時になっていた。そこは、元は雑貨屋だった場所だった。隣はビルが建つ予定の空き地だ。
ボス格の男が、他の者に尋ねた。「秋山達はどうした?連絡がないが。」
「多分、連絡は取れないだろうな。空き巣ホイホイにかかったみたいだから。」と狐の面を被り、黒い羽織袴の女性が言った。「何者だ?」「見ての通りの『お狐さま』だ。」
「ふざけやがって。やっちまえ!!」女性は隣の空き地に走った。空き巣集団は、すぐに追いつき、取り囲んだ。
お狐さまは、木刀を手にし、次々と倒して行った。50人の空き巣達は、瞬く間に地面に寝転がった。途端に、ボス格の男は土下座した。「命だけはお助けを、お狐さま。」
待ち構えていた、愛宕と青山は警官隊となだれ込み、逮捕した。連行が始まったが、ボス格の男が言った。「お願いです、旦那。お願いします。お狐さま。シャバの見納めに、あの夕焼けを見させて下さい。」
伝子がうなずくと、青山は「夕焼けが崩れ始めるまでならな。」と言った。空き巣集団も警官隊も、しばし、夕焼けに染まった空を見つめた。
南原のアパート。窓から外を眺めていた南原が母を呼んだ。「母さん。夕日が綺麗だよ。」二人は空を見上げた。
福本の家。サチコが夕日に向かって吠えている。「嫌いな夕焼けね。龍之介、祥子ちゃん、サチコが夕日見ようって。」呼びかけに応じて南原と祥子が家から出てきて、母やサチコと夕日を眺めた。
依田のアパート。「お兄ちゃんも、家で見てるかな?依田さんも配達中に・・・無理かな?」と蘭は慶子に言った。「さあね。」蘭と慶子はなんとなく空を見上げ、大家の森が釣られて空を見上げた。
モール。物部の喫茶店アテロゴを出て、物部と栞が駐車場へ歩いて来た。
「あ。見て。」「夕焼けか。何か願い事・・・。」「それは流れ星でしょ。」笑いながら、二人は夕日を見た。
本庄病院。「看護師さん、もう少し、見ていたい。」「いいわよ、橘さん。」二人は窓から夕日を見ていた。いつの間にか、なぎさは夕日に敬礼をしていた。池上葉子が後ろから二人に近づき、やはり夕日を見た。
依田の配達車。配達を終えた依田は、しばし、我を忘れた。視線の先には空があった。見事な夕焼けの空が。
山城の祖母の介護施設。山城の叔父一郎と祖母の和子は山城順と空を見ていた。
「ここ、眺め良かったんだね。」と順は呟いた。
福本の仲間の松下と本田はトラックの前でタバコ休憩をしていた。夕日を見ながら。
「綺麗だな。」「うん。」
まるまげ署。倒壊した家の救助をした自衛隊員達に、署長に呼び出された、あつこは謝辞を述べ、感謝状を渡していた。自衛隊代表はあつこに敬礼し、継いで夕日に脱帽し敬礼した。あつこは釣られて夕日に敬礼し、署長もみちるも敬礼した。
伝子のマンション。駐車場に向かう途中の綾子と藤井は、夕日向かって敬礼する私服の自衛隊員達を見た。
服部のアパート。窓から夕日を見ている服部は呟いた。「いい曲がつくれそうだ。」
みゆき出版社前。編集長と副編集長は来客を送り出した後、駐車場から夕日を見た。
「暫く見ていなかったけど、綺麗ね。」「そうですね。」
EITOベース。斉藤理事官と久保田管理官、久保田警部補はモニター越しに草薙や渡達と夕日を、夕焼けを見ていた。
それぞれの立場の、それぞれの人は、それぞれの場所で同じ夕焼けを見て感動していた。ある人は目に焼き付け、ある人は脳裏に刻み込み、ある人は心にしまった。
―完―
大文字伝子が行く34 クライングフリーマン @dansan01
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
今年になって学んだこと/クライングフリーマン
★3 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
そこに私は居ません/クライングフリーマン
★3 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます