第3話

川から水を汲み、もと来た道を歩こうとした時、甘く芳しい香りが鼻をかすめた。

「どこからだろう?」

それは頭がボーっとするような、懐かしいような……泣きたくなるような不思議な香りだった。

香りをたどると、白亜の豪邸がそびえ立っていた。そこは元々廃墟だった気がするが、人の気配がする。

不思議な香りはそこからただよっていた。

黒い人影が窓の前にいた。

不意に怖くなり、村へ戻った。

一日中、シゲールはボーっとして過ごし、誰が話しかけても生返事だけで魂が抜けてしまったような感じになってしまっていた。

あの、黒い影はなんだったのかはわからないが、今まで感じたことのない気持ちを味わっていた。

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ツインレイ 夜人(らいと) @Leica_camera

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