コンビニ強盗

 

コンビニ強盗

「おい、金を出せ」


 俺はコンビニ入ると、客の会計をしている店員に銃を突きつけ、そう言った。すると、その店員は驚きもせず、淡々とした口調でこう言った。


「順番ですので、列にお並びください」


 俺の持っている銃は、モデルガンだから威嚇射撃しようにも出来ない。だから俺は渋々、列に並んだ。そして、前の客の会計が済み、俺の番になった。俺は、さっきと同じように店員に銃を突きつけ、こう言った。


「金を出せ。この店にある金、全部だ」


「レジは使用中なので、金庫の中のお金しか用意出来ませんが、よろしいでしょうか?」


「ああ、なんでもいい。早く金を用意しろ」


「少々お待ちください」


 そう言うと、店員はレジを出てバックヤードに向かった。そして、30分ほど経つと、カゴに大量の1万円札の束を入れ、戻ってきた。


「こちらでよろしいでしょうか?」


「ああ。それから、これを全部このカバンに詰めろ」


 俺はそう言い、黒い大きなカバンをカウンターの上に置いた。すると、店員は俺に向かってこう言った。


「当店は、セルフパックレジになっております。通常では、この場でお客様に詰めていただくのですが、お客様の荷物は余りにも量が多いので、イートインスペースで袋詰めのご協力お願いします」


 俺は金が手に入ったから、まぁいいかと思い、イートインスペースでカバンに札束を詰め込んだ。そして家に帰り、詳しく札束を確認すると、札束の上と下の2枚だけが本物で、後はただの紙切れだった。

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コンビニ強盗   @hanashiro_himeka

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