部屋の汚さと心の余裕と

 薄々気づいてはいたが部屋が汚くなっている。床中、プリントと本で埋まっており、坂口安吾の部屋には及ばないが、かなり歩きにくい状況である。

 理由はわかっている。心に余裕がないからだ。今週が締め切りの重めの課題がわんさかある。

 今、脳内は課題のことで頭がいっぱいだ。脳内メーカーを作ったら一面「課題」の二文字で埋まってると思う。それ以外の人間として捨てるべきでない「掃除」だとか「食事」などが入る隙間などないのだ。QOLだだ下がりである。

 僕の心の余裕と部屋のキレイさは比例する。心に余裕のある時は部屋もキレイになるし、反対に心に余裕がないと部屋も汚くなる。

 そして、部屋が汚くなると何もやる気が起きなくなる。恐ろしい負のスパイラルである。こうなるとなかなか抜け出せない。

 部屋を片付けてもすぐになぜかすぐに汚くなるし、問題を根本的に解決しないためにはどうしようもないのである。

 だがしかし、そんな簡単に問題が解決するなら部屋は汚くなっていない。課題は苦痛でしかないからまず取り掛かるまでかなりの時間がかかるし、集中力のない僕は周りに落ちている漫画をついつい手にして読んでしまうしで救いがたい。

 本当はこんな人間になる予定ではなかった。

 やる時はやる、やらない時はやらないとメリハリのしっかりした人間になりたかったのに今ではこの体たらくである。課題をやるやらないでもにょもにょしながら、漫画を読んでいる時間が一番長い。何というダメ人間。

 小学生の僕が今の僕を見たら、きっと絶望して、何も手につかなくなってしまうだろう。そして、それにより未来は変わりより堕落した僕が生まれて……と救いがない。どうしたものか。

 そんなことを考えながら文章を考えてるうちに外ではまた雨が降り始めた。

 雨は苦手だ。何もやる気が起きなくなる。作業効率も落ちる。

 このような状態で課題をやってもろくなことがない今日はもう何もかもやめにして布団に入ることにする。課題は明日の僕が何とかしてくれることだろう。

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セブンスターの煙 原田 充 @katsuH2

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