第31話 「見せてやるよ……最強ってやつをな」


 エイル組の面々が後方――イグニトールの方へ向かった。


 それを見送ることはせず、ローガン・エイブラムスは前方の裏切り者どもから視線を逸らさない。


≪スレイヤーズ≫と≪ヘイパン≫を名乗る探索者パーティー12人が、それぞれに武器を構えてローガンたちに対峙していた。彼らが陣取っている場所は45層守護者であるイグニトールとの戦場たる、火口への唯一の出入り口であり、こちらの逃げ場を塞いでいるのは明らかだった。


(さて……出来れば全員を生け捕りにして情報を引き出したいが……)


 人数の上では向こうの方が不利だ。


 エイル組が抜けた現状でも、≪迷宮踏破隊≫側には25人もいる。それにも拘わらず、奴らは余裕そうな表情を崩さない。


 つまりはそれだけ自分たちの実力に自信があるのだろう。絶対に勝てるという確信がなければ、あんな表情はできない。


(容易い相手じゃなさそうだ……最悪も想定しておくべきだな)


 それでもなお、ローガンは自分が負けるとは思っていない。


 自らの実力に自信があるのは、ローガンとて同じことだ。潜入者の存在を前提にしたクランであるゆえに、これまでローガンはクランメンバーたちに自分の本気を見せたことは、一度とてないのだから。


 だが、それはそれとして。


 彼らも自分たちがネクロニア評議会や【封神四家】と敵対する立場だとは、理解していることだろう。捕まりそうになれば、自死する、という可能性は決して低くないように思えた。


 生け捕りにできないことも想定するならば、生きている内に引き出せるだけの情報を引き出しておきたい。


 ゆえに、ローガンは口を開いた。


「ふむ……君らのことは、何と呼ぶべきかな? 【明けの明星団】? それとも【邪神教団】? いや、一番最近に確認された名称では、確か【黄昏に顕れる者ラグナロク・オーダーズ】と、名乗っていたのだったかな? まあ、これも120年以上前のものだから、もう変わっているかもしれないが。名前くらいは教えてほしいものだ」


 いつの時代もネクロニアに潜み、ネクロニアと敵対する者どもがいた。


 その目的は専一に固定されたものではなく、時代によって様々に変化していると思われる。世界征服。邪神信奉。真理探究。終末願望。だが、目的に至るための手段は全て同じだ。――すなわち、【神骸】の利用。


 それは世界に対する背信であり、目的の成就如何に拘わらず、即座に世界崩壊へ繋がりかねないアンタッチャブルだ。


 そのような組織の存在は、ネクロニアのみならず、どのような国家も許すことはない。


 だが、人間の傲慢さは神々でさえ封じることしかできなかった【神骸】を、利用できると考えさせてしまう。


 そのように勘違いした傲慢なる者ども。その一部が、目の前の彼らであるはずだった。


「はああ? 何だそりゃあ? 知らないねぇ」


 だが、ニヤニヤと嗤いながら彼らは否定した。


 発言したのは≪スレイヤーズ≫のリーダーたる青年で、名前はジューダス・ハイペロン。年齢は確か25歳だったはずだ。ジョブは剣士系固有ジョブの『閃剣士』。細剣を武器に戦う優男風の剣士だが、その実力は≪迷宮踏破隊≫でも上位に位置する。


「ほう? 君らがそうではないと言うつもりならば、なぜ私たちを襲う?」


「別に? 特に理由はねぇ」


 飄々と、こちらをからかうように返しながらも、確信に繋がる言葉を与えるつもりはないようだった。


(ふむ……勝利を確信しているなら口も軽くなるかと思ったが……存外、口が堅いな。それだけ組織の統制が強いのか……)


 これ以上話しても無駄かもしれない、と思いつつ、もう一押ししてみる。


「君らが私が思っている組織とは関係ないというなら、なおさら私たちと敵対するのはやめておきたまえ。実力に自信があるようだが、その上で忠告しよう。……君たちに勝機はない」


「くはっ、ひゃははははははッ!!」


 ジューダスは腹を抱えて笑い出す。


 さも、面白い冗談を聞いたとでもいうように。


「その言葉、そっくりそのまま返させてもらうぜ、剣聖さんよぉ! アンタ、いつまで強者ぶってるつもりだ? てめぇみてぇなロートルじゃあ、俺たちみてぇな新世代の強者には敵わねぇんだよ。てめぇらはもう、時代遅れなんだ」


「……ほう? 私がロートルというのは否定できないが、君たちが新世代というのは? 見たところ、何も我々と違わないように思えるのだが? それとも若さだけが取り柄なのかね?」


 そう返しつつも、ローガンはジューダスの言葉に疑問を感じていた。


 ――新世代。


 彼の言葉からは、自分たちが特別な存在であるかのようなニュアンスを覚える。


「おっと……少し話しすぎたぜ。これ以上、てめぇとおしゃべりを楽しむつもりはねぇ」


 それを聞こうと思ったのだが、どうやら教えてはくれないらしい。


「……と、思ったが、冥土の土産だ。やっぱり俺たちの正体を教えてやる」


「ほう……それは是非、知りたいところだな」


 かと思えば、急に正体を教えるという。


 いったい何のつもりなのか、と思いつつ、黙って続きを聞いてみる。


「てめぇらも聞いたことくらいはあるだろ? 去年のスタンピードで「核」たる魔物と取り巻きどもを殺し尽くした……正体不明の集団、≪極剣≫のことをよぉ」


 ローガンの背後、クランメンバーたちの間から、「まさか」という声があがる。


 その反応に、ジューダスはますます笑みを深めた。


「くっくっくっ……そうだ! 聞いて驚け! 俺たちがその≪極剣≫なんだよッ!!」


≪極剣≫の正体は今もって不明だ……が、それでも確実に嘘だとローガンは判断する。


 もしも彼らが≪極剣≫だとしたら、なぜ仲間が起こしたスタンピードを鎮めるというのか。まあ、ジューダスたちは「組織」の一員ではないと言っているから、矛盾はないことになるのだが。


 こちらを混乱させるためのブラフ。それが一番妥当なところだが……。


「さあ! 俺たちが≪極剣≫だと知って絶望したか? ならもっと絶望させてやる!」


 次の瞬間、ジューダスたちは全員がストレージ・リングから何かを取り出した。


 それは小さな小瓶で、中には赤い液体が揺れている。


(ポーション?)


 普通のポーションとは色が違うが、瓶はポーション瓶のものだ。


 ジューダスたちは赤いポーションのコルク栓を親指で飛ばすと、躊躇する様子もなく口へ運び――、


「見せてやるよ……最強ってやつをな」


 飲んだ。


 いわゆるポーションと呼ばれる魔法薬は、腸の血管から体内に成分が吸収されることで薬効を発揮するわけではない。


 ポーションには人体に影響する薬効成分が含まれているわけではなく、様々な素材によって魔法効果を発生、あるいは定着させた魔道具の一種だ。


 ゆえに、効果が発揮されるのは即座。


 ジューダスたちに訪れた変化も、現れたのは即座だった。


「ぉおおおおおおおおッ!! キタキタキタキタァアアッ!!」


 最初に感じたのは急激な魔力の上昇。


 ジューダスたちから感じる魔力が、凄まじい勢いで上昇していく。赤いポーションを飲む前は明らかに自分以下だった魔力の総量が、【神骸迷宮】深層の守護者と比較しても遜色ないほどまで上昇していく。


 もちろん、正確な魔力量など魔力感知で把握できるわけはない。


 それでも膨大な魔力を保有する存在を前にすれば、言葉にできない圧力を感じるものだ。その圧力が、守護者に匹敵するほどに強い。


 だが、魔力量の変化など些細なものだ。


 ローガンはジューダスたちに生じた外見的変化にこそ、驚きを隠せなかった。


「金色の瞳、だと……!?」


 全ての時代を含めて、いわゆる「人類」と呼べる存在においては、その瞳の色は特別な意味を持つ。


 神々の血脈。


 神の血を継いだ存在。


 現在では、【封神四家】の血族にしか発現しないはずの特徴だった。


 ジューダスたちの瞳が、元々そんな色をしていたわけではない。ポーションを飲む前は、特に珍しくもない瞳の色をしていたはずだ。


(【封神四家】の血族なのか……?)


 自分で疑問に思いながらも、そんなはずはないと否定する。


【封神四家】の血族は、その存在を厳重に管理されているし、もしも私生児が生まれたとしても、金色の瞳を発現した時点で分家か宗家に引き取られるはずだ。後天的に瞳の色が変わるなど聞いたこともない。


「おいおい、魔力や目の色ごときで驚いてんじゃねぇぜ?」


 ニタニタと嗤いながら、ジューダスが再度武器を構えた。


「おらッ、受けてみろよッ!!」


 直後、閃光のような速さで細剣が振られた。


 虚空に刻まれた剣線は4つ。それらはオーラの刃となって飛翔する。


 閃剣士スキル――【フラッシュ・カルテット】


 4つの刃がローガンたちへと飛翔する。高速の四連撃。


 それを迎え撃つローガンは、横一線に剣を薙いだ。


 剣聖技スキル――【飛龍断】


 飛龍すら断つ強力な斬撃が前方に向かって飛翔し、【フラッシュ・カルテット】を相殺する。


 その事実に、ローガンは内心で微かに驚きを覚えた。


(……相殺?)


 本来、閃剣士のスキルというのは攻撃の速さに比べて威力は軽いのだ。多彩な攻撃と高速の連撃が閃剣士の持ち味であり、たったの4発で【飛龍断】を相殺するなどあり得ない。固有ジョブの中でも特に強力と言われる『剣聖』ジョブの攻撃が、そんなに軽いはずがないのだ。


 本来ならば【フラッシュ・カルテット】に打ち勝って当然のはず。


 ギルドの地下訓練場でアーロンと立ち合った時はあっさりと打ち負けてしまったが、あれこそが例外で異常と言うべきものであり、断じて【飛龍断】は容易く相殺されるようなスキルではない。


「……そんなものかね?」


 しかし、驚きは隠して平然と問うてみる。


「バカがッ! 何勝ち誇ってやがる! そういうセリフはこれを見てから言いやがれッ!!」


 ジューダスは余裕を崩さないまま、さらに細剣を振り続けた。


 閃剣士スキル――【フラッシュ・ソロ】【フラッシュ・デュオ】【フラッシュ・トリオ】【フラッシュ・カルテット】【フラッシュ・クインテット】【フラッシュ・セクステット】【フラッシュ・セプテット】【フラッシュ・オクステット】【フラッシュ・ノネット】【フラッシュ・デクテット】


 閃光のように空間へ刻まれた剣線の数――計55本。


 一息の間に放たれた、視界を埋め尽くすかのような夥しい剣撃。


 剣を振る速度もおかしければ、スキルを発動する速度もおかしい。何もかもが人間の限界を超えているとしか思えない、異常な攻撃だった。


 だが、その異常について深く考える暇はない。ローガンは肌をぞわりと撫でる危機感に従い、すぐさま迎撃に移っていた。


 剣聖技スキル――【飛龍断】


 剣聖技スキル――【壊尽烈波】


 二つの強力なスキルがオーラの刃を相殺していく。だが、消せたのは10本が限度だった。通常、スキルというのはあのように連打できるものではない。強力なスキルになればなおさらだ。


(――何ということだ間に合わんッ!!)


 剣聖技スキルでは迎撃が間に合わない。スキルを発動する時間がない。


 直後、ローガンへ向かって45本の剣撃が無慈悲に襲いかかった。


 地面に幾本もの剣線が刻み込まれ、土煙が立ち込める。その中心にいるローガンが、何か強力なスキルを発動したのは確認できなかった。


 つまり――、


「嘘、だろ……」

「ローガンさんが、負けた……?」


 為す術もなく無数の剣撃によって斬り刻まれた、ということ。


 クランの精神的支柱である『剣聖』の敗北に、クランメンバーたちの間を動揺が走り抜ける。


「くはっ、ひゃははははははははッ!!」


 その姿を見て、ジューダスは大笑した。


 愉悦に満ちた歪んだ笑み。


「おいおいおいッ! こんなもんかよ剣聖ッ! 口ほどにもねぇじゃねぇか! まだこっちは全力も出してねぇっつうのによぉッ!!」


「――そうか。それは悪かったね」


「は?」


 土煙の向こう側から、声。


「だが安心してくれ。どうやら、まだまだ楽しませてあげることができそうだ」


 土煙が晴れると、そこには無傷のローガン・エイブラムスが笑みを浮かべて立っていた。


「何を、しやがった……?」


 あり得ないものを見るように、ジューダスは目を見開いてローガンを見つめる。


 スキルによる相殺は間に合うはずもなく、ましてや回避できるような攻撃でもなかったはずだ。


 だが、結果としては傷一つ負っていないローガンがいる。


「私も最近、思うところがあってね。もっと基礎的なスキルにも目を向けるべきじゃないか、とね」


 ローガンは剣を掲げて見せた。


 そこには穏やかで力強いオーラが、剣身全体を覆っていた。


「ただの【パリィ】だよ」


 それは多くのジョブで修得することができる、最も基本的な汎用スキルの一種だ。


 そもそもジューダスが放ったオーラの刃は地面とほぼ平行に飛翔しており、地面へ落下するとしてもかなりの距離を進んだ後になるはずだ。にも拘わらず、刃はローガンの手前で地面に墜落している。


 その理由は【パリィ】で攻撃を弾き落としたからだった。


「ふ、ふざけんなッ! あの数の攻撃を全て弾けるはずがねぇ!!」


「全部を弾いたわけじゃないがね」


 クランとして活動するようになり、ローガンにはアーロン・ゲイルの戦いを間近で観察する機会が何度もあった。


 そこで彼が初級スキルを多用する場面を幾度となく目撃していた。


 初めは練度が違い過ぎて別物にしか思えなかったが、注意深く観察していればそれが初級スキルに過ぎないことに気づく。


 たとえば雨霰と降り注ぐ敵の攻撃を意図した方向に弾くことで、それらが衝突するように仕向ける。相殺し、あるいは連鎖的に軌道を変化させ、自らはその場から動くことなく敵の攻撃を切り抜ける。


 今のローガンでは【パリィ】の練度が不足しているのか、攻撃を弾き返す方向を精密に誘導することはできないが、完成形が分かっているならスキルの使い方次第でそれに近づけることはできる――というわけだ。


「どうやら私にも、まだまだ伸び代があったらしい」


「何をわけわかんねぇことを……!!」


「ああ、すまない。こちらの話だ」


 そもそも普通は、そこまで【パリィ】というスキルを高めようなどとは考えないのだ。


 敵の攻撃を弾くにも防御するにも相殺するにも、もっと強力で確実なスキルなど、幾らでもあるのだから。


 だが、初級スキルには初級スキルの優れたところも存在した。それは発動の速さと消費の少なさだ。加えて、もしもアーロンと同じレベルまで【パリィ】の練度を高められるのなら、それは途端に強力なスキルへと化けることになる。


 ローガン・エイブラムスは、さらに強くなる方法を知った。


 そして明確にその方法が解っているならば、自分はさらに強くなれるだろうと確信する。


 一方で、ジューダスの変化についても考察していた。


「しかし、今ので分かったよ。魔力の増大に身体能力の上昇、おまけにオーラの制御力まで上がっているのかな? すなわち、スキルの威力も含めて、全ての能力が異様に上昇している……確かに脅威だ」


「ハッ、やっと理解できたのかよ! そうだ! ちょっと防御が上手いくらいじゃ、俺たちには勝てねぇんだよ! 尽きることのない魔力! 人間の限界を超えた身体能力! 底無しのスタミナ! そしてオーラの制御力は上がり! 魔力からオーラへの変換は一瞬! かつスキルに限界以上のオーラを籠めることで威力を別次元にまで高めることもできる! 旧人類たるてめぇらじゃあ、万に一つも勝ち目はねぇ!!」


 はぁ……と、ローガンは深く深くため息を吐いた。


 絶望によって全てを諦めた――わけではない。これはむしろ、失望のため息だった。


「それだけかね?」


「あ?」


「どれだけのものかと期待してみれば……まさか、たったそれだけとはね。期待はずれも甚だしいな」


「ああんッ!?」


「これならアーロンと模擬戦でもしている方が100倍は楽しいし、有意義だ。今の君たちは確かに強いと言えるが……ただ基礎能力が高いだけ。そんなものは魔物には幾らでもいる。何より君たちからは、ぞくぞくするような感じを覚えない。私の本能が言っているよ。君たちには負けようがないとね」


 実に退屈そうな表情で、ローガンは吐き捨てた。


 そんな態度に、ジューダスは激怒する。


「――調子に乗るなよ骨董品がッ!! てめぇなら俺らに勝てるつもりか! 状況も判断できねぇ無能が!!」


「ふむ? 状況、とは?」


「イグニトールだよイグニトール!! 何で俺らがここで仕掛けたと思う!? イグニトールと俺らを同時に相手できるつもりか!!」


「なるほど。確かに君たちとイグニトール、両方を相手にすれば流石に私も死ぬしかないだろうな。しかし、イグニトールはエイル組に任せているのだが?」


「阿呆が! 旧人類のてめぇらが、あれっぽっちの人数でイグニトールを抑えておけるわけねぇだろうが!! すぐに全員殺されるのは分かりきってんだよッ!! そうなりゃてめぇらは終わりだ!!」


「これは……私としても予想外なのだがね」


「あ?」


 ローガンは笑った。


 どこか呆れるように、力なく。


「どうやら私たちが楽しくおしゃべりに興じている間に、向こうは終わってしまったようだ」


「はあ?」


 ローガンは親指で背後を指し示す。


 ジューダスたちと相対しながらも、常に広範囲を把握していたローガンの魔力感知は、ほんの少し前に強大な魔力が消え失せたことを把握していた。


 背後で、こちら側とあちら側を仕切っていた巨大な炎の壁が消える。


 ローガンとて、こんな事態を予測していたわけではない。敗北はしないだろうとは思いつつも、本当にあれだけの人数で勝てるのか、疑問に思わないでもなかった。


 自分たちがこちらを片付けて、アーロンたちに助勢する形になると予想していた。


 だが、蓋を開けてみればこれだ。まさかこんな短時間でイグニトールが討伐されるとは、想像できるはずがない。


 本当に、いったいどうやって倒したというのか。


「君たちにはすまないと思っているよ。こちらにそんなつもりはなかったとはいえ、時間稼ぎのような真似をしてしまって」


「…………」


 ジューダスたちが目を見開き、こちらの遥か後方を見つめている。


 それから視線は空を巡り、そこに何者も飛んではいないことを確認して、さらに地面の下へと向かう。気持ちは分かる。おそらくはマグマの中に潜っているのだと思いたいのだろう。


 だが、イグニトールほどの存在なら、マグマの中に潜っていてもその魔力は感じ取れるはずだ――生きているならば。


 ジューダスはわなわなと震え――――やがて、口を開いた。



「――――はぇ?」



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