登園拒否

うつ病は…ツライ

　毎朝早く目覚めてしまう。前の晩、どんなに遅い時間にベッドに入っても、十分な睡眠がとれない。朝方３時頃に目覚め、一度目覚めると、その後眠ることができないのだ。

　この症状…、「うつ病」か、「抑うつ状態」であろう。これらの病気（やまい）は、まず睡眠不調から始まるケースが多い。原因は何だろうか。多忙な仕事、職場での人間関係、…家族との不仲…すべてが原因のような気がする。

　このようなときは、一時も早く治療が必要であろう。適切な薬を処方し、ゆっくりと休む。…分かってはいるけど、仕事をストップすることができない私にとって、治療はおろか、休暇を取ることもできない。

　私はもうダメなのか？いっそのこと、この世から消えてなくなってしまいたい…自殺願望まで出てきた。早く処置しないと、手遅れになろう。

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「先生、９時になりましたので、患者さんをお通ししても良いですか？」

　…看護師の言葉で我に返る。今日も多忙な仕事が始まろうとしている。

「あぁどうぞ。さて…、今日も頑張るか」

　私が開設した心療内科に、今日も多くの患者が私の診断を待っている。

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【解説（かいせつ）】

　叙述トリックを使いました。心の病を発症し始めた「私」は、心療内科の先生自身なのであった。他の患者を診断すること（診療）を優先し、自分の病には対応できない、とても不運な先生です。