第二夜
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最初からわかっていた
自分がその人を好きになるであろうことは。制服遵守のうちの学校で紫のパーカーをいつも着ている際立った美人に惹かれない男はいない。
とてつもなく繊細な輪郭とバランスに大胆な大きさの瞳、そしてその中には常に嘲笑と好奇心が同居していて見られた側は心の奥底をくすぐられた気分になる。信じられないくらい細いその肩は女子の母性に相当する男の庇護欲なようなものを掻き立てる。そして毎日変わる髪型は四季よりも美しく、個人的には前髪がない彼女がお気に入りだった。
そんな人が自分と付き合うことになるなんてのは想像もできなかったし、どこかで止めておけと自制している部分もあった。
教室での彼女は本当に明るく眩しかった。なんせ応援団とかに立候補しちゃうくらいなんだ、そりゃモテるし人気だ。お昼の弁当はマックで、Lサイズのポテトを周りの人に配ったり、授業中手を上げておいて分かりませんとかとにかくやることは無茶苦茶で、どこぞの破天荒芸人より破天荒だった。しかしえてして人を惹きつける人物にはそういった台風のように人を惹きつけるタイプもいる。
当然中学ではインキャで女子と話したこともないやうな自分なんかに接点はなく、遠巻きに見つめいているだけだった。あの夜までは
不終春 @tsutaren
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