面白かったです。
叙事詩というジャンルが好きなので、少しずつ世界が変わる様を楽しむことができました。
如朦にとって多嘉螺はその名前のとおり、宝=多嘉螺なのかなと解釈しております。多嘉螺の名前がどこから発生したのかといえば、やはり如朦の無意識の中にあるのかなと。
2人が再会したときには、如朦は願い(宝)を果たしたことになるのでしょう。
ただ釈然としないこともあり、最初の第1話の如朦は眺めるだけではなく黎にアドバイスをしたということです。
国を変える大きな局面、如朦が黎を動かしたとも思えるのですが、あれがどういう胸中だったか計り知れないところがあります。
あとは闇充の故郷である渺という国が気になりました。そこには変怪=神はあれど、神獣信仰の描写がなかったので、もしかしたら渺に出たら夢から覚めるんじゃないか……、と思いながら読んでいました。
読み手としては、如朦のような立場で世界を傍観するわけですから、この話の終わりが夢から覚めるという意図があるんじゃないかと、つまり渺に着くのが話のゴールだと思っていて、多嘉螺が龍に乗って渺に着いたから終わったのかなと、私としてはそのように解釈して終わります。
歴史ものでありながら、純文学的な側面もあるから、読み解くのが難しいです。
でもこうやって考察するのも本作の面白さかなあとも思っています。
久々に楽しい思考に耽りました。ありがとうございます。
作者からの返信
読了&コメント&素敵なレビューまで頂き、ありがとうございます!
神獣の夢という世界観では未公開も含めていくつか書いてますが、本作はなるべくお伽噺めいた雰囲気を醸したいと思い、こういう話になりました。ただ第一話は前作の雰囲気を少々引きずったかもしれず、ご指摘のような感想を抱く余地を生み出したのかもしれません。
読者から様々な考察をしていただけるのは非常に光栄です。作者にも思いもよらぬ発見がもたらせることもあり、その点も含めて感謝です。
先に書いた同一世界観のお話はコレクションにまとめておりますので、もしお暇とご興味ございましたら、お目通しいただければ幸いです。改めてありがとうございました。
完結おめでとうございます!
如朦が自らの望みを見出したことで、この世界が「常夢」ではなく、確かな実体を持つ現実の、限りある世に変わったような印象を受けました。
彼が多嘉螺と再会できるかは分かりませんが、その望みが叶った暁に、この世界がどんな変化を遂げるのか、想像の余地がありますね。
蛤が好きです。
>龍神様ってのは海河の神なんじゃろう。海を渡ろうって男には、お守り代わりにちょうどいいだろうと思ってさ
熱心な信仰とまではいかない、こういう願掛けのような感覚、日本人としてはすごく共感できます。闇充を思う彼女の気持ちに、胸が温まりました。
非常に読み応えがありました。連載お疲れ様でした。すごく面白かったです!
作者からの返信
早速の読了とコメント、ありがとうございます!
ラストは別離の理由に説得力を持たせるために考えた結果、こういう書き方になりました。回想シーンと現在を交互に見せる書き方は気を遣いましたが、楽しんでもらえたようでひと安心です。
蛤は当初はモブに近い設定でしたか、庶民の在り方を表すには最適のキャラでした。彼女みたいな人がいてこその世界だと思うので、出せて良かったです。
この世界観は自分も気に入ってるので、大事に育てられればと思ってます。改めて最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
素晴らしい作品でした!
とても沢山の学びを頂きました!
今後のご活躍をお祈り致します!
今回の企画へのご参加、本当にありがとうございました!
作者からの返信
ひと息に読み通していただき、こちらこそ感謝です。
お目通しいただきありがとうございました!