魔法石鑑定に必要なのは、彼との赤い糸。

 魔法石には二種類ある。一つは自然に長い時間かけて出来た物。もう一つは、強い思念によって出来上がり、人々に影響を及ぼす物だ。
 主人公は魔法石鑑定師の女性。彼女は同じ歳を繰り返すと言う変わった体質を持って、若いままの姿で仕事をしている。その仕事に欠かせないのが、主人公のパートナーであり両想いの男性だ。主人公はいつも男性との赤い糸のおかげで、魔法石に囚われるのを防いでいた。いわば魔法石と現世との命綱だ。
 主人公のもとには、様々な魔法石に関する依頼が舞い込む。その多くが、魔法石を手にした時から、人格が変わったようになったので、その魔法石を鑑定して、原因を突き止めて欲しいというものだった。例えば魔法石を受け継いでから急に心変わりした女性や、急に傲慢になった兄など。主人公は彼、彼女が持つ魔法石の中に精神を潜り込ませ、その魔法石が出来た経緯を探り、魔法石の素となった思念の問題を解決することで、魔法石を正しい在り方に戻していた。元となる思念には、想いの強さや、切ないモノ、はたまた危険なものまで多種多様だ。中には人間以外の思念まである。そして思念の中に散見される宗教や国同士のいざこざ、歴史まで、主人公は見て取ってきた。
 
 さて、主人公は何故若いままなのか。
 依頼される魔法石が指し示す物とは?
 そして二人のこれからはどうなっていくのか?

 是非、御一読下さい。

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