19話 最終話

 SEの資格色々取って卒業したものの、

愛想がまったくない性格の奴らばかりで俺には性に合わなかった。


 そうでない明るい職場があったのかもしれないけど、

カフェより陽気な職場はないだろう。


 それに非モテと呼ばれる奴らからのやっかみは強くて、

面倒くさいとも感じていた。


(オレはイケボなだけなんだが、嫉妬するやつ多すぎてびっくりするぜ。イケメンの隣りにいたから感覚麻痺なのかもな)


 そんなこんなの人間関係の面倒くささがあって

伊丹チーフの世話になることにした。


 オレは執事兼声優さんになったのだ。

 どちらも年収安定しなくて。

 今日も持ち味のイケボと丁寧な接客で頑張ることに。


「お帰りなさいませ。お嬢様!」

 来店するお嬢様方に甘いひと時の夢を見せつつ、メニューの説明もする。

 時々あまーいセリフをオーダーされたりもする。

「爺やもできまするぞ」


 オレは爺やと仲良く張り合う毎日を送っている。

 爺やのファンもいるらしく売上的には拮抗している。

「ライバルはオヤジってどうなのさ」


 せめて同世代であってほしいものだが、他のメンバーは伸び悩む月も多い。

 超えるべきはオヤジというのは男子なら当然なのかもしれないが、

この目標は微妙だ。


「俺が22になる前に超えて見せるさ」


 店舗一の執事はこの俺だ!!


 完

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ようこそ!ダブル執事カフェへ 完 朝香るか @kouhi-sairin

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